清村矯正歯科

川口市の矯正歯科なら清村矯正歯科

矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用について

without comments

新型コロナウィルスの流行はいまだに収束しませんが、昨年の今頃と比べるとかなり日常生活に変化が出てきました。皆さんの中にはワクチン接種を終えた方も多くいらっしゃるかと思いますが、ワクチン接種前に「副反応」「副作用」という言葉をよく耳にしたと思います。副作用の定義は「医薬品の使用、あるいは医療的処置に伴って生じた、治療者や患者が望んでいない作用全般のこと」です。
矯正治療も医療行為ですので残念ながら「副作用」が起る可能性があります。矯正治療に伴う副作用についてはこれまでに論文等で様々な報告があり、どこまでが副作用なのかを判断することも意見が分かれるところで、すべてを紹介するのは困難です。今回は院長が所属する「日本矯正歯科学会」のガイドラインに記載された項目を参考に一般的な副作用とリスクについて説明します。

 

矯正治療に伴うリスクと副作用

  1. 矯正治療は一度治療を開始すると、元の状態に戻すことはほぼ不可能です。
  2. 治療開始当初は、矯正装置による違和感や口内炎、歯の移動による痛み等があります。裏側に装置が付いた場合は舌の違和感があり、しゃべりにくくなります。(痛みの強さや持続期間には個人差があります。しゃべりにくさもほとんどの場合1か月程度で慣れます)
  3. 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。特に永久歯が生えそろっていない混合歯列期、思春期成長前の場合、治療期間を予測することは困難です。
  4. 治療によって嚙む位置が変化することがあります。(顎位の変化)違和感がありますが、新しくなった噛む位置に慣れる必要があります。また、顎位の変化が大きい場合は、治療期間が延長や、治療計画を変更する可能性があります。
  5. 指しゃぶりや舌の癖、唇をかむ癖など、不正咬合の原因になっている癖が治らないと、症状が改善できないことがあります。(後戻りの原因にもなります)
  6. 装置や顎間ゴムの使用状況、定期な通院など患者自身の協力度も治療結果や治療期間に影響します。(協力度が低いと治療期間が延長します)
  7. 治療中は装置の影響で歯が磨きにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。(丁寧なブラッシングと一般歯科医院での定期的なメンテナンスによってリスクが軽減されます。)
  8. 治療中に歯の移動により隠れていた虫歯が見つかることがあります。
  9. 装置を誤飲することがあります。
  10. 治療途中に金属アレルギーの症状が出ることがあります。
  11. 歯の移動により歯の神経が障害を受けることがあります(歯髄壊死)
  12. 歯根と骨がくっついて、歯が動かない状態になることがある。(アンキローシス)(過去にぶつけた歯や、骨の中に埋まっていた歯などで起こりやすく、治療中に突然起こることもあります。原因は不明で事前にレントゲンやCTを撮影してもわかりません)凸凹がたくさんある場合は、元々歯を支えている骨量が少ないため、できやすい。写真のように歯の概形が三角形の人は特にできやすい。※9~12はかなり稀で経験上発生率は1%未満です。
  13. 歯の移動により歯の根が短くなることがあります。(歯根吸収)
  14. 歯茎が下がって歯根が見えるようになることがあります(ブラックトライアングル図1~4)(これらの症状は矯正治療を行わなくても、かみ合わせや歯ぎしりのような癖、加齢や歯周病などが原因で起こることもあります)
    (図1 治療前 正面)


    (図2 治療後 正面)


    (図3 治療前 横)


    (図4 治療後 横)

  15. 治療中に顎関節症状(音がする、痛みがある、口が開けにくいなど)がでることがあります。(治療前にこのような症状がある場合は悪化するリスクが高くなります。顎関節は原因が一つだけではないので、矯正治療によって歯並びがよくなっても治るわけではありません。思春期に起こりやすいのですが、顎の成長が止まると症状が消失すること多いため経過観察が必要です)
  16. 歯の形を変えたり、噛み合わせをよくしたりするために歯の一部を削ることがあります。
  17. 装置を外す際に、歯の表面に微小な傷や亀裂ができたり、被せたり詰めてあった材料(修復物や補綴物)が破損したりすることがあります。歯磨きが不十分な場合は装置の周りに変色や虫歯が見つかることがあります。
  18. 装置除去後に、きれいになった歯並びに合わせて被せものや詰めものをやり直す場合があります。(歯冠修復、補綴)
  19. 装置除去後は一定期間、保定装置(リテーナー)を使用しないと後戻り(凸凹や隙間などができて、歯並びが悪くなる)が生じるため、保定期間中(2~3年)も定期的に来院して指示通り装置を使用する必要があります。
  20. 未成年者で治療後に成長がある場合や、親知らず(第3大臼歯)の萌出により、噛み合わせや歯並びに変化が生じる可能性があります。
  21. 保定期間終了後も歯の喪失や歯周病、顎関節症の悪化、口腔周囲習癖(指しゃぶりなど)などがあると、かみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  22. 加齢により少しずつ歯がすり減り、歯を支えている骨や歯肉の減少が進行するため、矯正治療経験の有無にかかわらず歯並びは生涯を通して徐々に変化していきます。

ご覧になりたい方はこちら

Written by kiyomura

10月 5th, 2021 at 2:20 pm

不正咬合の種類(2)叢生

without comments

前回に引き続き、基本的な歯並びについての説明をQ&A形式で説明していきたいと思います。

 

Q:叢生(そうせい)とは、どのような歯並びの状態のことでしょうか?

一般的には乱杭歯と呼ばれており、歯並びに連続性がなく、前後左右にデコボコしている状態のことを叢生と呼んでいます。

歯の大きさに比べてアゴが小さいことが要因でこのような状態に歯が並んでいます。(図1,2,3)

いわゆる八重歯も叢生に分類されます。(図4)

図1  叢生歯列(前から)

 


図2  叢生歯列(上アゴ)

 


図3  叢生歯列(下アゴ)

 


図4  八重歯

 

Q:叢生をそのままにしておくとどのような弊害がありますか?

見た目が悪いことが一番の短所ですが、それ以外にも食べかすがたまりやすくなり、正常な歯並びに比べて、虫歯や歯周病になりやすい状態だと言えます。

また、そもそもしっかり上下の歯がかみ合っていないことが多いのですが、デコボコ部分だけが強く当たって、歯が磨り減ったり、歯の根っこがダメージを受けて短くなったりすることもあります。

 

 

Q:どのような治療方法がありますか?

乳歯が残っていてこれから大きく顎が成長するお子さんと成人とでは治療方法が違います。これから永久歯に生え変わる場合はアゴの幅を広げたり、奥歯を後ろに移動させたりして歯が並ぶスペースを作ります。

その後、顎の成長と歯の生え変わりを待ってどうなるか経過を観察します。成人の方やすべて永久歯に生え変わった中学生以上のお子さんの場合は、デコボコの量や全体的なかみ合わせや骨格を考慮して、同様な治療を行うか、永久歯の数本を抜歯するかの判断をし、マルチブラケット装置で治療を行います。

経過観察が終了したお子さんも必要があれば抜歯を行い、同様に治療を行います。

 


図5  マルチブラケット装置

 

Q:具体的にどのような装置を使いますか?

図6はアゴの幅を広げる装置で、取り外しができるタイプのものです。これ以外にもいろいろなタイプがありますが(図10,11)、このような装置でまずアゴの幅を広げて歯が並ぶスペースを確保してから、今度は「ブラケット」という金具を歯に接着して細い針金を調整してデコボコを治していきます(図7,8,9)。