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歯磨きのコツ(3) 歯磨き粉の成分
歯を磨くときに歯磨き粉を使う一番の理由は、歯に付いた汚れを効率よく落とすためです。
上の歯磨きの成分表の中で、その役割を果たすのが清掃剤(研磨剤)です。
研磨剤というと、台所で使用するクレンザーを想像するかもしれませんが、一般的な歯磨き粉には歯を傷つけるほどの強力な研磨剤が入っているわけではありませんので心配要りません。
湿潤剤、発泡剤、粘結剤は清掃剤をうまくお口の中に行き渡らせるための成分で、香味剤は味や香りをよくすることで、歯磨きをしやすくする成分です。
前回お話したように、発泡剤が多すぎるとお口の中が泡だらけになり、かえって磨きにくくなったり、磨けたと錯覚して磨き残しが増えたりするので、お勧めしたいのは低発泡性の歯磨き粉です。
香味剤には一般的には清涼感のあるミントやメントールがよく使われますが、これもスッキリしすぎて磨けたと勘違いして磨き残しが起きる原因となりますので、あまり刺激が強いものはお勧めしません。
子供用歯磨き粉は、大人用の歯磨き粉と比較して成分が大きく違うわけではありません。
大人用の歯磨き粉が、ミントやメントールの香りが主流なのに対して、子供用は、歯磨きがしやすいよう刺激が少なく、
子どもが好むイチゴやブドウなど甘い味付けがしてあるだけです。ですから、大人の方でもミントが苦手な人は子供用を使っても問題はありません。
薬用成分とは、汚れを落とす歯磨き粉の基本的な成分にプラスして配合される薬剤で、フッ化ナトリウムなら歯を強くする、トラネキサム酸なら歯周病による出血の抑制といったような効能があります。
成分ではなく、形状で分類すると、次の4種類になります。
1)チューブタイプ
中身はペースト状、練り歯磨きとも呼ばれる。研磨剤、発泡剤などの成分配合でもっとも一般的なタイプで種類も豊富。
2)ジェルタイプ
とろみのある半透明のジェル状で、チューブ入りボトル入り両方あり。1)に配合される研磨剤の含有量が少なく、歯や歯茎に優しい。発泡剤無配合のものは電動歯ブラシでの使用に最適。
3)液体タイプ
マウスウォッシュ、洗口剤と呼ばれる。液体のため歯磨き粉と呼べるかは疑問。薬用成分は入っているので、炎症の抑制効果などはあるが、汚れを落とす効果はあまり期待できない。他の歯磨き粉と併用するか、どうしても歯を磨く時間がないときに使う程度がよい。
4)粉末タイプ
缶入りのものが多い。チューブタイプが発売される19世紀ごろまではこちらが主流だったため、ペースト状の歯磨剤(練り歯磨き)が主流になっても昔の名残りで「歯磨き粉」と呼ばれている。近年では無添加やオーガニック素材の歯磨き剤に利用されることが多い。
いかがでしたか?歯磨き粉にもいろいろな種類があること、種類によって効能や使用目的が違うことがおわかりいただけましたか?次回はあなたにあった歯磨き粉の選び方についてお話したいと思います。
歯磨きのコツ(3) 歯磨き粉の種類
前回から引き続いて「歯磨きのコツ」のお話をします。
前回までは主に歯ブラシや歯の磨き方についての説明をしましたが、今回は歯磨き粉(歯磨剤)についてのお話です。
皆さんはどのような基準で歯磨き粉(歯磨剤)を買いますか?市販されている歯磨き粉はさまざまな種類があり、値段もいろいろですよね。
歯磨き粉には、入っている成分により大きく分けて2つに分類できます。
その違いとは薬用成分のことで、薬用成分が配合されていない歯磨き粉は化粧品に分類され、薬用成分が配合されている歯磨き粉は医薬部外品に分類され、一般的にその配合物の種類により金額が高くなります。
化粧品歯磨き粉とは、効率よく食べかすやプラーク(歯垢)を除去する虫歯予防、口臭予防、などが目的の歯磨き粉です。
医薬部外品(薬用)歯磨き粉とは、フッ素化合物や抗炎症剤など薬用成分が配合された歯磨き粉のことで、虫歯予防のほかに歯槽膿漏や歯肉炎の予防、知覚過敏の抑制などの効果が目的の歯磨き粉です。
以下に一般的な医薬部外品(薬用)歯磨き粉の成分表を示します。
※紛らわしいですが、「医薬部外品」と「薬用」はほぼ同じで「医薬品(病院で処方される薬)ではないけれどそれに準じた効能がある薬」という意味だそうです。