清村矯正歯科

清村矯正歯科のブログでは、矯正歯科治療の疑問や症例について解説しています。

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歯並びと癖の関係(2)

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前回からの続きで、歯並びと癖のお話をしたいと思います。

前回、口腔習癖(口に関連する癖)のなかでも、よく知られている「指しゃぶり」の原因について説明しましたので、今回はその影響についての話です。
5歳以降まで継続した指しゃぶりは、不正咬合だけでなく咬合、嚥下(ものを飲み込むこと)、発音、呼吸などの口腔機能にも影響を生じることがあります。

指しゃぶりの影響

(1)歯列、咬合への影響
指しゃぶりによる影響は、もともとの骨格や筋肉の強さなどに加えて、吸引する指の種類、頻度、吸引の強さなどによって個人差があります。
したがって、指しゃぶりをする子どものすべてが不正咬合になるわけではありませんが、長期間続くほど歯並びや噛み合わせへの影響は大きくなります。
もっとも多くみられる親指の指しゃぶりは、親指の腹側が上顎の前歯と前歯が生えている骨の部分を圧迫し、背(爪)側は下顎前歯に接触します。
その結果、上の前歯は前又は上方に、下の前歯は内側に倒れるか下方に押されるため、上顎前突(出っ歯)や開咬といった不正咬合を引き起こします(下図)。
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又、指を強く吸うタイプでは頬の筋肉が収縮することで上顎の横側の歯が内側に倒れて歯列がV字型になり、出っ歯や交叉咬合(下の奥歯のほうが上の奥歯より外側になって噛む状態)になることがあります(写真1、2)。
写真1 V字歯列
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写真2 開咬と交叉咬合
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(2)口元、側貌(横顔)への影響
出っ歯(上顎前突)や開咬になるとどうしても口が閉じづらくなるため、普段から口が空いた状態になりやすく、口呼吸をするようになります。口呼吸が習慣になると、唇の周りの筋肉が弛緩して、前歯は更に前に出て口元全体が突出し、唇自体も翻転(めくれ上がった状態)しやすくなります。
(3)皮膚への影響
指しゃぶりを続けていると、指にタコができ、口呼吸をしていると唇は乾燥したり、荒れたりします。
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(4)機能への影響
開咬になると、様々な機能的な変化が起こります。?前歯でものを噛めないので、奥歯ばかりを使う。?口が閉じづらいため、食事の時くちゃくちゃ音をたてる。?正しくものが飲み込めないため、舌を前に突き出す異常嚥下癖となり、口の周りに食べ物が付着する?口呼吸が習慣になり、呼吸に邪魔な舌が下顎の歯列を圧迫する(低位舌)?サ行、タ行などの発音が不明瞭になる など。
指しゃぶりが長く続くと、(1)のような形態変化がおきて、それが原因で(2、3,4)のような症状になります。特に(4)は、さらなる不正咬合や機能的な問題へと発展していくため、4〜5歳までには止められるようにしたいものです。
写真3,4は、指しゃぶりが原因とされる舌突出癖のある開咬のケースです。
写真3 舌突出癖1
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写真4舌突出癖2
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このように、普段から舌が下の前歯の上に乗っていて、さらに上の前歯を押すような状態ですと、指しゃぶりを行っているのと同じような力が歯やアゴにかかります。

舌突出癖の影響

指しゃぶりは、見ればやっているのがわかりますが、舌の癖は見ても気が付かないこと多いため余計に厄介です。
また、舌突出癖にもいろいろな種類があり、舌の位置や動かし方によって現れる不正咬合が異なります。
上の写真のケースは「前方突出開咬型」になりますが、舌が上の前歯ではなく下の前歯を押す場合「下顎突出型」といい、受け口や臼歯部交叉咬合の原因になります。
指しゃぶり同様、この癖があってもきれいな歯並びの人もいるので、必ず治さなければいけないものではありませんが、舌突出癖はみつけにくだけでなく習慣的に行っていることなので、治すのは難しく、様々な不正咬合の原因になることがあります。

Written by kiyomura

1月 10th, 2014 at 11:13 am

歯磨きのコツ(3)  歯磨き粉の成分

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歯を磨くときに歯磨き粉を使う一番の理由は、歯に付いた汚れを効率よく落とすためです。
上の歯磨きの成分表の中で、その役割を果たすのが清掃剤(研磨剤)です。
研磨剤というと、台所で使用するクレンザーを想像するかもしれませんが、一般的な歯磨き粉には歯を傷つけるほどの強力な研磨剤が入っているわけではありませんので心配要りません。
湿潤剤、発泡剤、粘結剤は清掃剤をうまくお口の中に行き渡らせるための成分で、香味剤は味や香りをよくすることで、歯磨きをしやすくする成分です。
前回お話したように、発泡剤が多すぎるとお口の中が泡だらけになり、かえって磨きにくくなったり、磨けたと錯覚して磨き残しが増えたりするので、お勧めしたいのは低発泡性の歯磨き粉です。
香味剤には一般的には清涼感のあるミントやメントールがよく使われますが、これもスッキリしすぎて磨けたと勘違いして磨き残しが起きる原因となりますので、あまり刺激が強いものはお勧めしません。
子供用歯磨き粉は、大人用の歯磨き粉と比較して成分が大きく違うわけではありません。
大人用の歯磨き粉が、ミントやメントールの香りが主流なのに対して、子供用は、歯磨きがしやすいよう刺激が少なく、
子どもが好むイチゴやブドウなど甘い味付けがしてあるだけです。ですから、大人の方でもミントが苦手な人は子供用を使っても問題はありません。
薬用成分とは、汚れを落とす歯磨き粉の基本的な成分にプラスして配合される薬剤で、フッ化ナトリウムなら歯を強くする、トラネキサム酸なら歯周病による出血の抑制といったような効能があります。
成分ではなく、形状で分類すると、次の4種類になります。
1)チューブタイプ
中身はペースト状、練り歯磨きとも呼ばれる。研磨剤、発泡剤などの成分配合でもっとも一般的なタイプで種類も豊富。
2)ジェルタイプ
とろみのある半透明のジェル状で、チューブ入りボトル入り両方あり。1)に配合される研磨剤の含有量が少なく、歯や歯茎に優しい。発泡剤無配合のものは電動歯ブラシでの使用に最適。
3)液体タイプ
マウスウォッシュ、洗口剤と呼ばれる。液体のため歯磨き粉と呼べるかは疑問。薬用成分は入っているので、炎症の抑制効果などはあるが、汚れを落とす効果はあまり期待できない。他の歯磨き粉と併用するか、どうしても歯を磨く時間がないときに使う程度がよい。
4)粉末タイプ
缶入りのものが多い。チューブタイプが発売される19世紀ごろまではこちらが主流だったため、ペースト状の歯磨剤(練り歯磨き)が主流になっても昔の名残りで「歯磨き粉」と呼ばれている。近年では無添加やオーガニック素材の歯磨き剤に利用されることが多い。
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いかがでしたか?歯磨き粉にもいろいろな種類があること、種類によって効能や使用目的が違うことがおわかりいただけましたか?次回はあなたにあった歯磨き粉の選び方についてお話したいと思います。

歯磨きのコツ(3) 歯磨き粉の種類

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前回から引き続いて「歯磨きのコツ」のお話をします。
前回までは主に歯ブラシや歯の磨き方についての説明をしましたが、今回は歯磨き粉(歯磨剤)についてのお話です。
皆さんはどのような基準で歯磨き粉(歯磨剤)を買いますか?市販されている歯磨き粉はさまざまな種類があり、値段もいろいろですよね。
歯磨き粉には、入っている成分により大きく分けて2つに分類できます。
その違いとは薬用成分のことで、薬用成分が配合されていない歯磨き粉は化粧品に分類され、薬用成分が配合されている歯磨き粉は医薬部外品に分類され、一般的にその配合物の種類により金額が高くなります。
化粧品歯磨き粉とは、効率よく食べかすやプラーク(歯垢)を除去する虫歯予防、口臭予防、などが目的の歯磨き粉です。
医薬部外品(薬用)歯磨き粉とは、フッ素化合物や抗炎症剤など薬用成分が配合された歯磨き粉のことで、虫歯予防のほかに歯槽膿漏や歯肉炎の予防、知覚過敏の抑制などの効果が目的の歯磨き粉です。
以下に一般的な医薬部外品(薬用)歯磨き粉の成分表を示します。
※紛らわしいですが、「医薬部外品」と「薬用」はほぼ同じで「医薬品(病院で処方される薬)ではないけれどそれに準じた効能がある薬」という意味だそうです。

歯磨きのコツ (2)

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新年明けましておめでとうございます。
年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか?
風邪の予防に大事なのは、うがいと手洗い。虫歯や歯周病の予防は毎日の歯磨きです。
今回は前々回のに引き続いて「歯磨きのコツ」についてお話します。
前々回、歯磨きのコツとして「磨く歯の順番を決める」「歯をしっかり磨く」という2つのポイントについてご説明いたしました。
当たり前のことのようですが、意外と出来ていない方がいらっしゃいますので、もう一度出来ているかどうか確認してください。

歯ブラシの選び方

歯ブラシの持ち方、力の入れ具合については前回説明しましたが、より効果的に汚れを取るには歯ブラシの大きさや硬さも気になるところです。
大きな歯ブラシのメリットは広い面積を一度に清掃できることです。
手が思うように動かない高齢者の方などに推奨されます。
デメリットはお子さんや口の中が狭い方の場合、細かい部分が磨けないことです。
小さい歯ブラシは細かい部分を磨くのには適していますが、手をたくさん動かさないとすべての歯を磨けないため、清掃効率が悪く大きな歯ブラシを使った場合よりも磨き残しが起こりやすくなります。
したがって、無難なのは普通の大きさということになるのですが、ご自分が使いやすいものを選ぶのが一番良いと思います。
歯ブラシの硬さは、硬いほど清掃力、耐久性が高くなりますが、歯を傷つけやすくなります。
硬い歯ブラシでごしごし歯ぐきを磨きすぎると、歯茎が少しずつ裂けて歯根が露出してきます。歯根は他の歯よりも柔らかいので、さらに強く歯磨きをすると削れてしまします(下写真:楔状欠損)
このような症状は痛みを伴わないまま進行することもあり、歯磨きがしっかり出来ている方でも起こりますので、注意が必要です。
柔らかい歯ブラシは歯ぐきに炎症がある場合や、歯ブラシが歯茎にあたるのを痛がるお子さんなどには有用ですが、すぐに毛先が広がり耐久性が悪いのが欠点です。
柔らかい歯磨きで歯茎への刺激に慣れたら普通の硬さの歯ブラシに替えるといいでしょう。
ほとんどの方は普通の硬さの歯ブラシが適していると思われますが、磨く力が強めの方は少し柔らかめを選んでもいいかもしれません。
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歯磨きのコツ(2)

矯正装置が付いている方の歯磨きは、そうでない方に比べ磨き残しが多くなりがちですので、
以前から説明しているように普通の歯ブラシプラスαが必要です。
普通の歯ブラシで全体を磨いた後、装置の周りは歯間ブラシやタフトブラシを使って磨くのが一番確実です(下写真:タフトブラシ)。
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今回お話する歯磨きのコツの3番目は「時間をかけて磨く4番目は「考えながら磨く」です。
一昨年に行なわれた、あるリサーチ会社による「歯磨きに関する調査」の結果によると、歯磨きにかける時間の平均は3分弱、歯磨きの回数は「朝晩1日2回:約50%」「毎食後約20%」「朝のみ、晩のみ:それぞれ約10%」となっていました。
1回につき3分はしっかり磨くには時間が足りない気もします。せめて5分ぐらいは必要かなと感じますが、学校やお仕事が忙しい皆さんにとっては仕方がないことでしょう。
3分でも正しい方法なら、かなりしっかりと磨くことが出来ますが、何も考えずにただ歯ブラシをくわえているだけでは意味がありません。自分がどこを磨いていて、普段どこに磨き残しが多いか考えながら磨くことが重要です。
そして、もっとも重要な寝る前の歯磨きだけは、出来れば10分ぐらい時間をかけてじっくり丁寧に磨いて下さい。
長い時間磨くにも実はコツがあります。朝や昼など時間がないときは難しいかもしれませんが、じっくり磨くには座ってるほうが簡単です。
洗面台の前で立ったまま磨くのは鏡を見ながら磨けますし、溜まった唾液を吐くのには便利ですので悪くはありません。
もし、立ったままでも5分以上磨ける方はそれでも構いません。立ったままが大変だと思われる方は洗面所以外の居間や台所などで、歯磨き粉を付けずに磨くか、洗面所に椅子を用意して一度お試し下さい。
それから、歯磨き粉を付けすぎると、口の中が泡だらけになって長い時間歯を磨くことが出来ません。
ミントなどの味が強すぎると口の中がスースーして歯が磨けていると勘違いしやすいので、歯磨き粉のつけすぎや清涼感が強すぎる歯磨き粉にはご注意下さい。

どこを磨いているか意識しながら、寝る前は時間をかけて磨きましょう

よく「電動歯ブラシを使ったほうがいいでしょうか?」という質問を受けますが、電動歯ブラシのメリットは普通の歯ブラシに比べて磨く力が一定で、清掃能力が高いことです。
しかし、いくら性能がいい電動歯ブラシでも、正しく歯に届かなければ意味がありません。また、電動歯ブラシのヘッドは大きいものが多く、本体が重いために持ちづらいというデメリットも有るので細かい部分の歯磨きには向いていないように思います。
大事なのは歯ブラシが磨きたい場所に届いているかどうかということですので、普通の歯ブラシで正しい歯磨きが出来るようになってから、さらにしっかり磨きたい方にはお勧めです。
川口市の矯正歯科治療は、清村矯正歯科

矯正治療がおわりました(2)

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当院のスタッフ、宮原さんの矯正治療が無事終了しました。
治療経過(2)
だんだん隙間が閉じて前歯が噛んでくる様子がわかると思います。
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体験談 治療後の感想

Q.治療中大変だったことは?
装置を調整した日から2、3日は歯が痛くて食事が少し大変でした。でも、私の場合はだんだん痛みにも慣れてあまり気にならなくなりました。
はじめのうちは、歯磨きも面倒でしたが治療前よりも磨き残しがないように意識をして磨くようになったので逆にいい習慣ができてよかったと思います。
Q.治療が終わった今の感想は?
口の中がすっきりして食事も歯磨きもやりやすくなりました。でも、リテーナーに慣れるのに1、2週間かかりました。最初しゃべりづらかったです。
治療前後の写真やレントゲンを見せてもらって「自分でもずいぶん変わったなぁ」とうれしく思っています。
それから、装置が外れたことに周りの人があまり気づいてくれなかったので、治療中は自分が(装置のことを)気にしているだけで、意外と人の口のことなんか見ていないんだなぁって思いました。
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矯正治療が終わりました(1)

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当院のスタッフ、宮原さんの矯正治療が無事終了しました。
治療経過(1)
主訴:前歯が出ている

症状:奥歯の咬み合せは問題がありませんが、前歯はしっかりと噛んでいません。
レントゲンを見ると上顎に比べてやや下顎が後ろにありますが、骨格的にはそれほど問題ありません。
上下の前歯は極端に唇側に傾斜していました。
これは、もともと顎の大きさに対して歯が大きすぎたことと、長年にわたり、舌で前歯を押す癖があったためと思われます。
診断:舌突出癖による開咬を伴う上下顎前突
治療方針:第1小臼歯(犬歯の後ろの歯)を上下4本抜歯して、出来るだけ前歯が後ろに下がるように上顎にはTAD(矯正用インプラント)を使用することにしました。
また、治療中に舌で前歯を押す癖を治すために筋機能訓練をすることにしました。
コメント:途中、抜歯した隙間がなかなか閉じなかったり、左右のズレがでてきたりして予定より少し期間がかかりましたが、予定通り前歯がかなり後退して以前より前歯でしっかり噛み合うようになり、口元の形態もきれいになりました(下写真参照)。

治療前後のレントゲン、口元の変化

スクリーンショット 2012-10-27 17.53.11
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歯磨きのコツ

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前回に引き続き歯磨きについてお話します。
前回は「矯正治療中の歯の磨き方」を説明しましたが、今回はもっと基本的な「歯磨きのコツ」をご紹介します。

「毎日歯磨きしているのに虫歯になってしまった」
このような経験をした人は大勢いると思います。
自分ではちゃんと磨いているつもりでも、実は磨けていなかったり、磨き残しがあったりすれば虫歯になることは当然あります。
もちろん歯を磨かない人に比べれば十分虫歯になるリスクは低いはずですが、
「磨いている」と「磨けている」は違います。
特にこの違いがわからないお子さんには、保護者の方が定期的にチェックしてあげる必要があるでしょう。
今回ご紹介する「歯磨きのコツ」は2つです。
1つ目は「磨く歯の順番を決める」です。
いつも決まった順序で歯を磨くことで、磨き残しが減ることが、一番のメリットです。
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右利きの人の場合①左上奥歯の外側からスタートして、
上前歯の外側→右奥歯の外側→右下奥歯の外側→舌前歯の外側→下前歯の外側→左下奥歯の外側と、
順番に外側を磨いた後、同様に②左上奥歯の内側から左下奥歯の内側まで磨いて、
最後に③左下奥歯の頭(咬合面)を後ろから始めて右下奥歯まで→右上奥歯咬合面後ろから始めて左上奥歯咬合面の最後まで行くとゴールです。
②、③の順番は替えてもいいと思いますが、このように一筆書きのように歯ブラシを動かしていくことで、
磨き残しはぐんと減るはずです。(左利きの人は右上奥歯からスタートするとやりやすいです)
さらに、磨き残しを失くすためには歯ブラシが正しく歯面に当たるようにします。
具体的には
(1) 奥歯の外側を磨くときは、頬っぺたが歯ブラシにあたらないように口を閉じる(写真①)
(2)前歯の外側を磨くときは、唇に力を入れない(イーッとしない)などの工夫が必要です(写真②)
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(写真①)
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(写真②)
2つ目のコツは「歯をしっかり磨く」です。
ほこりの溜まった床やテーブルを掃除するときは、軽く拭けば汚れが落ちますが、台所のシンクに付いた食べ物の汚れは、ある程度ごしごしこすらないと落ちません。
大人の方には少ないのですが、歯磨きが出来ていないお子さんに多いのが歯磨きの力が弱すぎるためにおきる磨き残しです。
お母さんが仕上げ磨きをすると痛がるというのは、普段あまり力をいれずに歯を磨いている証拠でしょう。
歯ブラシの基本的な持ち方はペングリップ(写真③)とパームグリップ(写真④)です。
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(写真③)
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(写真④)
ペングリップは細かく歯ブラシを動かすことができるのがメリットで、パームグリップは力が入りやすいのがメリットです。
まだ大人のようにうまく歯ブラシを動かせないお子様は、ペングリップのほうがいいのですが、
磨く力が弱いので写真⑤のよう短く持つことで力が入りやすくなり、ペングリップのデメリットを補うことが出来ます。
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(写真⑤)
どちらが磨きやすいかは人によって違いますので、2つの持ち方を磨く場所に応じて変えながら使い分けるといいでしょう。
(ちなみに私は右側と前歯の内側はパームグリップ、後はすべてペングリップです。)
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Written by kiyomura

7月 6th, 2012 at 12:43 pm

矯正治療中の歯磨きについて

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みなさん、こんにちは。歯科衛生士の宮崎です。
今回は、矯正治療中の歯磨きについてお話したいと思います。
矯正の装置をつけると歯垢(しこう)が溜まりやすくなり、
①歯質が溶けて虫歯になる
②口臭の原因になる
③歯肉炎になる(歯茎が腫れる)
などのことが起きます。
こんなことを言うと、「大変そうだな~」なんて思う方もいらっしゃるかも知れませんが、
しっかりとポイントを抑えれば大丈夫です。
参考にしていただき、皆さん一緒に矯正治療を頑張りましょう。
歯垢がたまりやすい場所は、どこの部分だと思いますか?
矯正治療中の歯磨きを効率よく行なうには、
まずどのような場所が汚れやすいのか知っておく必要があります。
磨きの仕方も個人差があり、その人が持っている癖がありますので、
一概には言えませんが、一般的に歯垢が溜まりやすいポイントは以下の4つです。
汚れがたまりやすい場所ほど、念入りにブラシングするように心掛けてください。
歯垢が溜まりやすい4つのポイント
① 歯と歯茎の境い目(歯頚部)
② ブラケットのまわり
③ 臼歯部(奥歯全体)
④ 特に最後臼歯(一番後ろの歯)
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※③、④のブラッシングが苦手な方は、
写真のようなタフトブラシを使う方法が有効です。
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矯正治療に関するアンケートの結果③

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矯正治療に関するアンケートの結果報告、今回が最後になります。
前回は矯正治療中の痛みについてのお話でしたが、今回は矯正治療中の食事、歯磨き、装置のトラブルについて報告したいと思います。
Q6. 食事について
①食事をする速度は治療前に比べて
・あまり変わらない(治療1年未満:63% 1~2年:66% 2年以上: 70%)
・早くなった(治療1年未満:3% 1~2年:8% 2年以上:8%)
・遅くなった(治療1年未満:34% 1~2年:26% 2年以上:22%)
②体重に変動はありましたか?
・あまり変わらない:84%
・減った:11% ・増えた:5%
治療を始める前に心配する方が多い食事についてですが、
食べる速度については半数以上の方が以前とあまり差がないという結果になりました。
また、治療期間が経過するにつれて、慣れてくる傾向がみられます。
早くなった方もいますが、これは咬むのが面倒で飲み込んでいるのではないかと推測されます。
食事が摂りづらくなって、体重が減ってしまったという方は意外と少なく、
ほとんどの方があまり変わらないという結果でした。
以前ある患者さんが「食後に歯磨きするのが面倒なので、間食をしなくなってダイエットが出来て良かった」
という話を聞いたことがあります。
体重の増減と矯正治療に因果関係があるかどうかはよくわかりませんね。
③装置を付けてから食べなくなったもの、よく食べるようになったものはありますか?
・はい:51% ・いいえ:49%
矯正治療中、装置が壊れないように食べ物に注意するように指示を出していますが、
半数の人は治療前と変わらない食生活をしているということがわかりました(笑)。
あまり注意を払わなくてもトラブルが無いという方は、
これまで通りのお食事をしても構わないということですね。
Q7. Q6-③で≪はい≫にチェックをされた方にお伺いします。
・食べなくなったものは?
ガム、せんべい、カレー、キャラメル、りんごなど
・よく食べるになったものは?
麺類(うどん、パスタなど)、とうふ、
ヨーグルト、ゼリーなど
食べなくなったものは、せんべいやりんごなど、固くて装置が壊れやすい食べ物と、
装置にくっつきやすいガム、キャラメルなどで、事前に注意しているものがほとんどでした。
カレーを食べなくなった人の理由は、装置に引っ掛ける透明なゴム(モジュール、パワーチェーンなど)が変色するのが嫌だからだと思われます。
よく食べるようになったものには、麺類やとうふなど、あまり咬まずに食べられるものが挙げられていました。
Q8. 歯磨きについて
①    歯磨きは
・毎食後:50% ・朝と夜:46% 朝だけ:1% 夜だけ:3%
②    1回の歯磨きの平均時間は?
・3分以内:29% ・3~5分:46% ・5~10分:18% ・10分以上:7%
歯磨きの回数は、毎食後と朝夜だけという人が半々でした。
皆さんお仕事や勉強で忙しいので、なかなかお昼に歯磨きの時間が取れないのはよくわかります。
でも、虫歯や歯周病になるリスクを考えると、基本は毎食後です!
短い時間でもいいのでお昼も磨く習慣をぜひ付けてください!
少数ですが、夜しか磨かない人は・・・かなり心配です。
平均時間は3~5分という人がもっとも多く、これも忙しいので仕方が無いのかと思います。
しっかり磨けていればこれぐらいの時間でも十分ですが、
朝や昼に時間の取れない方は、夜は手鏡を見ながら10分以上じっくりと
時間をかけて磨いてみてはどうでしょうか?
はじめはなにもつけずに磨いて、2度目に歯磨き粉をつけて仕上げるといいと思いますよ。
Q9. 装置のトラブルについて
装置が取れたことはありますか?
・はい:78% ・いいえ:22%
Q10.
① 装置がとれたのは
・1回だけ:33% ・2~4回:61% ・5回以上:6%
いつとれましたか?
・食事のとき:45% ・運動しているとき:4% ・いつとれたかわからない:48% ・その他:3%
できれば起きてほしくないトラブルが装置(ブラケット)の脱離です。
ブラケットが外れると治療が遅れる原因にもなりますし、来院回数も増えてしまうので、
私も出来るだけ外れないように工夫をしているのですが、
どうしても起こってしまいます(約8割の人が経験あり)。
いつ取れたかわからない人が48%、食事中に取れた人が45%でした。
原因として考えられるのが、①もともとの咬み合せ、歯が生えている位置の問題②食事のとり方です。
①については仕方ないですし、治療が進み、歯が並んでくると問題が解決します。
②については、皆さんが気をつけて下されば回避できることですので、
当医院としては、今後もっと的確な食事に関するアドバイスをして、
ブラケットの脱離を減らしていきたいと考えています。
取れた原因の食べ物は色々ありましたが、少し硬い食べ物が多かったようです。
下記の結果を参考にして今後の食事の際は注意してみてください。
・食事中とれた方は何を食べていてとれましたか?
肉、揚げ物(鳥のから揚げなど)、せんべい、パン、ピーナッツ、カリカリ梅、パン、野菜スティック、キャベツ、メントス、チョコなど
今回で(マルチブラケット装置による)矯正治療中の方へのアンケート結果の報告は終了です。
現在治療中の方や、これから矯正治療を始めるかどうか検討中の皆様の参考になれば幸いです。
治療に関する不安や、わからないことがありましたら、
いつでも遠慮なく清村矯正歯科スタッフにお尋ね下さい。
いろいろ不自由なことがあると思いますが、これからも一日も早く治療が終わるようがんばっていきましょう!
(記:院長)
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矯正治療に関するアンケートの結果②

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前回に引き続き、3医院合同で行った矯正治療に関するアンケート結果についてご報告したいと思います。
治療を開始する前の相談のとき、
「痛みはありますか?」
「どれぐらい痛いですか?」
といった質問をよく受けます。
これまで治療をされた方から伺ったことを参考にお答えしているのですが、
個人差があることですので、なかなかはっきりとした答えになっていないところもあると、常々感じていました。
このアンケートを結果を参考にしていただければと思います。

Q1 年齢は?
10~15歳:20%
16~20歳:18%
21~25歳:20%
26~30歳:19%
31~40歳:19%
40歳~ :4%

今回、アンケートにご協力いただいた患者様の年齢層ですが、

マルチブラケット装置(写真1)での治療中に限定したためこのような結果になりました。

他の装置を使用している人を含めると、もう少し若年者(10歳代)の割合が増えたと思います。

図1

(写真1)マルチブラケット装置

Q2 治療期間は?
1年未満:31%
1~2年:33%
2年以上:30%

マルチブラケット装置の平均治療期間は2年半ぐらいですので、
対象とした人の治療期間のばらつきはありません。
治療がすでに終わった人も含まれていますが、ほとんどが現在治療中の人の感想です。

Q3-1 歯が動くときの痛みを経験したことがありますか?
はい:93%
いいえ:7%

Q3-2 唇や頬などに装置が当たって、痛みを感じたことがありますか?
はい:90%
いいえ:10%
約9割の人がなんらかの痛みを感じているようです。
これを年代別にみるといずれも10代が一番痛みを感じにくく、
歯が動く痛みは20 代が一番多く、30代以降は減少傾向にある一方、
粘膜などにあたる痛みは年齢が上がるにつれて増加傾向が認められました。
Q4-1 装置を付けてから何日ぐらい痛かったですか?
1日:8% 2~3日:58%
4~5日:23% 5日以上:11%

どの年代でも2~3日が最も多く、21~25歳代では、5日以上痛い人
の割合が少し多くなっていました。

Q4-2 もっとも痛かったのは何日目ですか?
当日:22% 翌日:69%
翌々日:8% その他: 1%
Q4-3 どのようなときに痛かったですか?
食事のとき:59%
歯をかみ締めた時:16%
常に:20% その他: 5%

やはり、治療をした翌日が痛いという人が年齢に関係なく、もっとも多かったようです。
痛みを感じやすいのは、歯に力が加わる食事の時が一番でした。
「常に痛い」という人の割合が思ったより多いのですが、
当医院の集計では5%以下でしたので、ご安心下さい。
ひょっとしたら装置の種類の違いが影響しているのかもしれません。
その他の中には「装置で頬に傷が出来たとき」「装置をはずしたとき」などがありました。

Q4-4 これまでの治療でもっとも痛かったのはいつですか?
はじめて装置が付いたとき:64%
ワイヤーを新しく交換した時:31%
セパレーション:2%
その他: 3%
Q4-5 言葉で表すとどんな痛みですか?
ズキズキ:45% ジンジン:42%
シクシク:9% その他: 4%
もっとも痛いと感じたのは、「はじめて装置をつけた時」でした。
はじめは誰でも慣れないので、当然といえば当然ですが予想通りの結果でした。
マルチブラケット装置の治療では、治療が進むにつれて、
徐々にワイヤーのサイズが太くなっていきますので、そのときに痛みがあることも納得できます。
セパレーションというのは、奥歯にバンド(銀歯のようなワッカ)をつけるために歯の間に入れる輪ゴムのことです。
Q4-5の質問は痛みの感覚を教えていただきたくて考えた設問だったのですが、
私は「ジンジン」「シクシク」が多いと予想していたので「ズキズキ」が一番だったのは意外でした。
その他には「ジワー」「ズーン」「あ゛~」などがありました。

Q5 痛みには慣れましたか?
はい:91% いいえ:9%
Q5-1 痛みに慣れるのにどれくらい期間がかかりましたか?
1週間以内:50% 2~3週間ぐらい:35% 1ヶ月ぐらい:9%
2~3ヶ月ぐらい:3% 4ヶ月以上:3%
ほとんどの方が装置をつけて、1ヶ月以内には痛みに慣れることがわかりました。
年代別に見ると、年齢が上がるほど慣れるのに時間がかかる傾向があります。
また、10代の方は全員が3週間以内に装置になれているという結果になりました。
図2
(写真2)リリーフワックスをつけたところ
今 回の結果は、大体これまでに患者さんから伺っていた話と同じで、予想通りという感想です。
「矯正すると痛いですか?」という質問に対しては「個人差が大き いです。
痛くない人もいますが、大抵は痛いです。
ただし、ほとんどの人は1ヶ月以内に慣れます」と答えるのが妥当だと再認識しました。
歯が動いて痛いときは、歯に力が加わらないように「なるべくやわらかいものを食べる」
歯茎の血行をよくするために「ぬるま湯を口に含む」「ハブラシで歯茎をマッサージする」ことで、
一時的に痛みが緩和します。
夜眠れない程の痛みがある方(めったにいませんが)は、我慢せず市販の痛み止め薬(鎮痛剤)を飲んで下さい。
唇や頬に装置が当たる場合は、お配りしている「リリーフワックス」(写真2)をブラケットに付けていただくといいと思いますが、
2ヶ月以上経っても痛みが続く場合はレジン(プラスティックのようなもの)でカバーすることで対応していますので、遠慮なくご相談下さい。
痛みに慣れるまではいろいろ大変だと思いますが、皆さんがんばって治療を続けてください!