清村矯正歯科

清村矯正歯科のブログでは、矯正歯科治療の疑問や症例について解説しています。

よくある質問Q&A 大人の矯正治療(5)

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Q5.口元が出ているのを治したいのですが、どれくらい変化がありますか?

成人の患者さんからご相談で「前歯が出ているので口が閉じにくい」「出っ張った口元を引っ込めたい」というお話を聞くことがあります。

客観的にみて前歯が出すぎている場合は、犬歯の後ろの歯を抜歯したスペースを使って前歯を後退させることができます。抜歯をしない場合は、ほとんどの場合前歯を後退させることができず、場合によっては少し前に出さざるを得ません。

小学生や中学生の保護者の方の多くは、何とか歯を抜かずに済む方法はないかとご相談されることが多いのですが、その場合は「口元の突出感」の改善はできないので、永久歯列期の治療を開始する前に抜歯をするかどうかは相談して決めるようにしています。小臼歯の抜歯を行うと、ほとんどの場合口元が後退します。ただし、どの程度後退するかは、骨格、口の周りの筋肉や唇の形など、色々な要素によって変わるため、治療前に確実にわかるものではありません。

口元の突出度を調べるのによく使われる基準としては鼻の先端とあごの先端を結んだ線「E-line」があります。
このE-line上、又はわずかに後ろに唇が位置しているのが理想的な状態といわれています。したがって、鼻の高さや、下あごの形も口元の突出度に影響を与えます。


もう一つ口元の突出度を表す指標にNasolabial angle(ナゾラビアルアングル・鼻唇角)というのがあります(図9)。

図9 Nasolabial angle(鼻唇角)

鼻の下を通る線と上唇を通る線で作られる角度のことで、90°~105°ぐらいが理想とされています。鼻の形によって影響を受ける角度なので、性別や人種によっても理想値は異なります。この角度が小さいと上唇が突出、大きいと後退傾向を表します。
A、Bの患者さんは、どちらもはじめ小さかったのが治療後には90°近くまで改善しています。

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Written by kiyomura

1月 7th, 2020 at 4:44 pm