「もっと知りたい歯の矯正治療」

清村矯正歯科(川口市)監修

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よくある質問Q&A 大人の矯正治療(1)

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今回からは大人の矯正治療のQ&Aをはじめます。

まず「大人の矯正治療」という言葉の定義ですが、同じような言葉で「成人矯正」というのがあります。

成人矯正とは、その名の通り成人(20歳)に達した人の矯正治療という意味ですが、今回から説明する「大人の矯正治療」とは、親知らずを除く永久歯がほぼ生えそろっており、顎骨の成長もほぼ終了している人の矯正治療という定義とさせていただきます。

性別や成長に個人差があるため、何歳以上が対象になるかは断言できませんが、一般的には中学生以上の方が対象ということになります(成人の方ももちろん対象になります)。

Q1よくみる金具のついた矯正装置はいつから付けますか?

みなさんがもっともイメージされる矯正装置とは、マルチブラケット装置のことと思います。

すべての永久歯に金属やセラミックなどの金具が一つずつ付いている装置です(図1)。

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図1  マルチブラケット装置

この装置を付けて治療を開始する時期は原則として永久歯がすべて生えそろってからになります。

また、永久歯が生えそろっていてもアゴの成長がたくさん残っている場合は成長を待ってから付けることになります。

図の2〜5は同じ人のレントゲン写真ですが、前歯と6歳臼歯の間の乳歯が抜けて、永久歯に生え変わった後に6歳臼歯の後ろから第二大臼歯が生えてきています。

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図2  9歳時 前歯と奥歯以外は乳歯

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図3  11歳時 前歯と奥歯の間の乳歯が抜けて永久歯に生え変わり中

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図4  13歳時 乳歯は全て永久歯に生えかわり第二大臼歯の萌出前

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図5  15歳時 第二大臼歯の萌出中

マルチブラケット装置は細かい歯の移動を目的とした装置ですので、歯がどんどん生え変わる混合歯列期に使用しても歯並びが変化していくので、効果が発揮されません。

図6、図8、図9、図10、図11はそれぞれ同じ患者さんの顎の成長を示したレントゲンです。

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図6、7   9歳時と12歳時の比較 女子
元々は受け口だった。受け口は再発していないが上下のアゴ、特に下アゴがかなり大きく成長している。


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図8、9    12 歳時と14歳時の比較
男子
かなり出っ歯だったが、下アゴの成長を促進する装置を使用、かなり改善されている。


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図10、11 12歳時と14歳時の比較 男子
かなり出っ歯。下アゴの成長を促進する装置を使用したが、あまり効果は得られなかった。


このように、歯が生え変わる時期、6歳臼歯の後ろから歯が生えてくる時期、そして思春期成長期は、歯並びだけでなく顎の位置も大きく変化することがあり、予測も大変困難です。

したがって、永久歯が生えそろっていても顎の位置が決まっていない小学生、中学生の時期に歯だけをきれいに並べても、かみ合わせそのものが変化する可能性があるため、マルチブラケット装置での治療は親知らず以外の永久歯が生えそろって、さらに顎の成長がある程度落ち着いてからになります。

できるだけ早く治療を始めて早く治療を終わらせたいという希望はわかりますが、せっかくきれいに並べても後から歯が生えてきたり、成長によってかみ合わせが変わってしまったりしては、結局複雑な装置が付いている期間が長くなってしまい、患者さん自身の負担が増してしまいます。

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4月 10th, 2018 at 2:45 pm

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(9)

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新年明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか?

みなさんご存知のことと思いますが、去年の後半から新しいスタッフに2名入ってきていただきました。

これまでは短期間に2名スタッフが入れ替わることはなかったので、最初は不慣れでご迷惑をお掛けすることもあるかもしれませんが、よろしくお願い申し上げます。

よくある質問Q&Aの子供の矯正治療も9回目になりました。今回は、以前にも紹介したことですが、大事なことなので矯正治療中の虫歯予防についてのお話です。

Q14.矯正治療中の虫歯予防や歯磨きについて教えてください。

マルチブラケット装置(図1)は、基本的に全て大人の歯に生え変わった人に使う装置ですので、小学生以下のお子様が付けることはほとんどないのですが、このブラケットという小さな金具を、部分的に使用することは子供の治療でもよくあります。(図2)

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図1 マルチブラケット装置:全ての歯にブラケット(金具)が付いている


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図2 前歯だけにブラケットが付いている状態(ユーティリティーアーチ)


今回はこの装置が付いているときの歯磨きのやり方について詳しく説明したいと思います。

矯正中の歯磨きについて説明する前に、通常の歯磨き、虫歯予防についてのポイントをお話しします。

ポイント1 「虫歯になる、ならない」には個人差がある。

ポイント2 「歯磨きをやっていると、できている」は違う。

小、中学校などで習ったことがある方もいらっしゃると思いますが、虫歯の原因には4つの要素が関連しています(図3)。

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図3 虫歯の原因となる4つの要素


一つ目は歯質(もともとの歯の強さ)二つ目は虫歯菌(虫歯の原因となる細菌)の数、三つ目は虫歯菌のえさとなる食べ物。それに細菌が増えたり歯を溶かす酸を出すために必要な時間です。

あまり歯磨きをしないのに、虫歯にならない人は、歯質が強かったり、もともとお口の中に虫歯菌が少なかったりする人と思われます。

歯質を強くするには、よく知られているようにフッ素を定期的に塗布したり、虫歯菌を減らすには薬剤(一部の歯磨き粉や洗口液)を使用したりするのが有用です。

ただし、効果的に虫歯を予防するには1つの要素だけを良くするのではなく、すべての要素を改善することが重要です(図4)。

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図4 すべての要素を減らすことが重要

虫歯菌のえさ(食べかす)を減らすのに最も有用なのが歯磨きです。

歯磨きによって食べかすがなくなれば虫歯菌の数も減ります。

そして、もう一つ重要な要素が時間です。食後しばらくすると、菌が繁殖して菌が生み出す酸によってお口の中は酸性になり、虫歯になりやすくなります。

食べたら歯を磨くを徹底すればそれを防ぐことができます。

飴を長時間なめたり甘い飲み物をゆっくり飲み続けるような食習慣はやめるべきです。

このように「もともとの歯の強さやお口の中の虫歯菌の量、それに食生活や習慣によって虫歯のなりやすさが違う」というのが一つ目のポイントです。

二つ目のポイントは、「歯磨きが本当にしっかりできているかどうか」です。

自分では磨いているつもりでも実は磨き残しがあったり、磨いているのに汚れが取りきれていない場合は、やはり虫歯になってしまいます。

大人でも同じですが、特にお子様の場合は磨き残しが起こりやすいので、保護者の方がチェックする必要があります。

では、どのようなところに気を付けてチェックすればよいか説明します。

磨き残しは目で見ればある程度わかると思いますが、お口の中は暗いですので、できれば明るい場所でみてあげてください。

また、磨き残しがあるところは、その状態が何日か続くと歯茎に炎症がおきて(歯肉炎)腫れてきますので、すぐにわかるはずです。

その部分は弱い力で磨いてもすぐに出血しますが、それでも磨かないと歯肉炎は治りません。(図5)

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図5 全体的に磨けていない。特に上下の前歯に歯肉炎が著名

多くの患者さんにみられる共通した磨き残し部位は装置と歯茎の間、上顎なら装置の上、下顎では装置の下の部分です。

この部分の磨き方は図6、7のように歯ブラシを立てて上から(下から)装置に溜まっている食べかすを細かく振動させて取り除く方法が効果的です。

また、この部分は歯茎が近くにあるので、まとめて3、4歯を磨くのではなくひとつひとつの歯を磨くようにしないと、歯茎を傷つけることがあります。

一般的にお子さんは歯磨きの力が弱いため、本人が磨いているつもりでも汚れが取り除けていない場合がほとんどだということを保護者の方は覚えておいてください。

歯肉からの出血は歯磨き不足のサインです。お子さんが仕上げ磨きを痛がる場合、初めは柔らかい毛の歯ブラシを使うのもいいアイディアです。

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図6 前歯の磨き方


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図7 奥歯の磨き方




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1月 11th, 2018 at 2:31 pm

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(8)

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前回に引き続きこどもの矯正治療に関するQ&Aです。

Q13. 永久歯が変な方向に生えてきました。/歯がいつまでたっても生えてきません。

乳歯から永久歯への生え変わりの時期に、永久歯の生えてくる方向に異常があることがあります(異所萌出)。そのまま経過を観察するしかない場合が多いのですが、一部のケースではすぐに治療をした方がいいことがあります。

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図1 小臼歯の異所萌出


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図2 多数の永久歯にも位置異常あり


この症例では、犬歯(オレンジ矢印)が生えるべき場所に第一小臼歯(黄色の○)が生えてきています。レントゲンで確認すると、現状ではどうすることもできないため、そのまま経過観察をするという判断になりました。反対側の犬歯(オレンジ矢印)の位置にも問題があります。(図1、2)

下の症例は他の歯科医院から依頼をうけたものですが、乳歯の後ろに生えるはずの6歳臼歯が乳歯に引っかかって出てこれない状態です(図3)

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図3 初診時口腔内


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図4 初診時レントゲン写真


レントゲンを見ると、左右共に6歳臼歯に押された乳歯が溶け始めています(吸収)。このままでは手前の乳歯が抜けて6歳臼歯が前に行き過ぎてしまうため、将来的に出てくる2本の小臼歯が生える場所がなくなってしまいます(図4)。

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図5 装置装着時


上図のような装置を装着して、できるだけ早く6歳臼歯を後ろに動かす必要がありました(図5、6)。

その後他の装置も使用し、ある程度

歯並びを整えて生え変わりの経過を観ていくと、何とか他の永久歯も生えてきました(図7)。

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図6 3か月後


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図7 装置を付けてから2年半後


乳歯がすべて抜けて永久歯に生え変わると、通常6歳臼歯の後ろから第2大臼歯という永久歯が生えてきます。大体小学校6年生〜中学生のうちに生えてきますが、なかなか生えてこれない場合があります。次の症例も、他の歯科医院から依頼を受けたものですが、前回説明した埋伏歯の症例でもあります(図9〜15)。かなり苦労してなんとか引っ張り出すことができましたが、ここまで歯の方向が悪く、深い場所にあると牽引できない可能性もありました。

お子さんの場合、異所萌出は、わかっていてもすぐに治療ができず、長期間経過観察が必要になることが多くあります。

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図8 初診時下の歯並び


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図9 初診時のレントゲン:埋伏歯は内側を向いており親知らずが上にあるためこのままでは牽引できない


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図10 外科処置により親知らずの抜歯と牽引用のボタンを付与


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図11 埋伏歯を牽引中


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図12 口腔内写真:埋まっている歯の向きが悪いうえに、上の歯とのかみ合わせに問題があったため、かなり困難な牽引を行った。


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図13 口腔内写真


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図14 治療後の口腔内写真


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図15 治療後のレントゲン


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10月 12th, 2017 at 2:53 pm

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(7)

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前回のつづきで、これまでに初診相談やメール相談でよく質問されたことについてお答えします。
Q12もともと歯の本数が足りないといわれました。/余分な歯があるといわれました。/形のおかしい歯が生えてきました。/歯並びにどんな影響がありますか?
乳歯は全部で20本(上10・下10)永久歯は全部で32本(上16・下16そのうち第三大臼歯いわゆる「親知らず」と呼ばれる歯が4本)あります。
乳歯や永久歯の本数がもともと少ない人がときどきいらっしゃます。足りない歯のことを「先天欠如歯」といいますが、2010年の小児歯科学会の調査結果では1歯以上の先天欠如歯がある人の割合は約10%、10人に一人の割合で歯の本数が元々足りない人がいる計算になっています。
先天欠如歯で最も多いのは下顎の第2小臼歯(6歳臼歯の前の歯)です(図1)。
図1:下顎第2小臼歯の両側性先天欠如
乳歯の後から生えてくる永久歯がない
次に多いのが下の前歯、他には上顎第2小臼歯、上顎の側切歯(犬歯の隣の前歯)に多くみられます(図2)。
図2:右側切歯の先天欠如 中切歯と犬歯の間にあるはずの歯がない。
歯の本数が足りないと見た目がおしくなるだけでなく、かみ合わせに大きな影響が出ます。(図3、4)
図3:下顎前歯2本の先天欠如、歯が正しく生えても大きな隙間ができる。
図4:上下第2小臼歯4本の先天欠如、隙間があるため歯がねじれて生えて、奥から横にかけて上下の歯がかみ合っていない。下は乳歯が残っている。
歯の数が足りないのと逆に、余分な歯がある場合もあります。これは「過剰歯」といいます。上の前歯の付近によく見られますが、生えてくるまで気づかないことが多く、また、過剰歯があるために正常な歯が生えてこないことがよくあるため、たまたま撮影したレントゲンによって発見されることではじめて気づくことが多く知らないうちに歯並びや隣の歯に影響が出ます。(図5、6、7)
図5:上の前歯の間にある過剰歯
図6:下の小臼歯の過剰歯
図7:過剰歯(抜歯済み)が原因でねじれてしまった前歯
過剰歯はそのままにしていても問題ない場合は抜きませんが、他の歯に影響がある場合や、矯正治療による歯の移動の邪魔な場合はすぐに抜く必要があります。
通常の歯の形と異なる歯(形態異常歯)が生えてくる人が時々いらっしゃいます。巨大歯、矮小歯(図8)、癒合歯(図9)、癒着歯などの種類があり、これらの歯は、見た目が悪くなるだけでなく、全体的な歯並びやかみ合わせにも影響を与えます。
図8a:右側切歯の矮小歯
図8b:左側切歯に比べて小さく筒のような形をしている
通常の歯科治療では、先天欠如歯がある場合は、その部分を人工的な歯(入れ歯やインプラントなど)で補い、矮小歯や形態異常歯は抜歯や歯を削って差し歯などにして対応しますが、矯正治療では症状により色々ですが、足りない部分を他の歯で代用したり、余った隙間を歯の移動で埋めることで対応することができます。
図9a:左側切歯の癒合歯
図9b:二つの歯がくっついたような形をしている
歯の数、歯の形に異常がある場合、多くのケースで永久歯がすべて生えそろった後も治療(矯正治療と一般歯科治療)が必要になりますが、子供のうちにそのまま放置すると以後の治療が難しくなることもあるため、異常に気づいた場合は、早めに矯正専門医にご相談下さい。

前回のつづきで、これまでに初診相談やメール相談でよく質問されたことについてお答えします。

Q12もともと歯の本数が足りないといわれました。/余分な歯があるといわれました。/形のおかしい歯が生えてきました。/歯並びにどんな影響がありますか?

乳歯は全部で20本(上10・下10)永久歯は全部で32本(上16・下16そのうち第三大臼歯いわゆる「親知らず」と呼ばれる歯が4本)あります。

乳歯や永久歯の本数がもともと少ない人がときどきいらっしゃます。足りない歯のことを「先天欠如歯」といいますが、2010年の小児歯科学会の調査結果では1歯以上の先天欠如歯がある人の割合は約10%、10人に一人の割合で歯の本数が元々足りない人がいる計算になっています。

先天欠如歯で最も多いのは下顎の第2小臼歯(6歳臼歯の前の歯)です(図1)。

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図1:下顎第2小臼歯の両側性先天欠如
乳歯の後から生えてくる永久歯がない

次に多いのが下の前歯、他には上顎第2小臼歯、上顎の側切歯(犬歯の隣の前歯)に多くみられます(図2)。

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図2:右側切歯の先天欠如 中切歯と犬歯の間にあるはずの歯がない。

歯の本数が足りないと見た目がおしくなるだけでなく、かみ合わせに大きな影響が出ます。(図3、4)

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図3:下顎前歯2本の先天欠如、歯が正しく生えても大きな隙間ができる。

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図4:上下第2小臼歯4本の先天欠如、隙間があるため歯がねじれて生えて、奥から横にかけて上下の歯がかみ合っていない。下は乳歯が残っている。

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歯の数が足りないのと逆に、余分な歯がある場合もあります。これは「過剰歯」といいます。上の前歯の付近によく見られますが、生えてくるまで気づかないことが多く、また、過剰歯があるために正常な歯が生えてこないことがよくあるため、たまたま撮影したレントゲンによって発見されることではじめて気づくことが多く知らないうちに歯並びや隣の歯に影響が出ます。(図5、6、7)

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図5:上の前歯の間にある過剰歯

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図6:下の小臼歯の過剰歯

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図7:過剰歯(抜歯済み)が原因でねじれてしまった前歯

過剰歯はそのままにしていても問題ない場合は抜きませんが、他の歯に影響がある場合や、矯正治療による歯の移動の邪魔な場合はすぐに抜く必要があります。

通常の歯の形と異なる歯(形態異常歯)が生えてくる人が時々いらっしゃいます。巨大歯、矮小歯(図8)、癒合歯(図9)、癒着歯などの種類があり、これらの歯は、見た目が悪くなるだけでなく、全体的な歯並びやかみ合わせにも影響を与えます。

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図8a:右側切歯の矮小歯

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図8b:左側切歯に比べて小さく筒のような形をしている

通常の歯科治療では、先天欠如歯がある場合は、その部分を人工的な歯(入れ歯やインプラントなど)で補い、矮小歯や形態異常歯は抜歯や歯を削って差し歯などにして対応しますが、矯正治療では症状により色々ですが、足りない部分を他の歯で代用したり、余った隙間を歯の移動で埋めることで対応することができます。

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図9a:左側切歯の癒合歯

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図9b:二つの歯がくっついたような形をしている

歯の数、歯の形に異常がある場合、多くのケースで永久歯がすべて生えそろった後も治療(矯正治療と一般歯科治療)が必要になりますが、子供のうちにそのまま放置すると以後の治療が難しくなることもあるため、異常に気づいた場合は、早めに矯正専門医にご相談下さい。

Written by 清村矯正歯科

7月 7th, 2017 at 2:05 pm

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(6)

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前回のつづきで、これまでに初診相談やメール相談でよく質問されたことについてお答えします。


Q11 乳歯が抜けたのに、なかなかおとなの歯が生えてきません。

正常な歯の生え変わりでは、乳歯が抜けると、すぐに永久歯が生えてきます。これは骨の中にある永久歯が生えてくる過程で、乳歯の根っこが吸収し、自然に脱落するからです(図1,2)。

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(図1, 四角の枠に注目)


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(図2, 半年後、上下各4本の乳歯が抜けて永久歯に生え変わった)

何らかの理由で、永久歯がまだ骨の奥の方にあるのに乳歯が抜けてしまうと、永久歯がなかなか生えてこない状態が続きます。

その理由とは、虫歯や打撲などいろいろですが、原因がわからないことも良くあります。そのまま様子をみていてもいい場合もありますが、あまりに遅い場合は、現在生えている歯が移動して生えてくる歯のスペースがなくなることがあるため、何かしらの処置が必要になります(図3,4)。

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(図3, 一本だけ永久歯が生えるスペースが足りない)

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(図4, ここまでは内側に生えるか骨の中で止まってしまう)

また、もともと永久歯の数が足りないこと(先天欠如歯)や、あとから生えてくる歯の位置が悪い場合は、いくら待っても出てこないこともあるため、心配な場合はレントゲンを撮って確認することをおすすめします(図5,6)。

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(図5, 右の前歯(側切歯)が生えてこない。生えるスペースもない状態)

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(図6, 図5の写真のレントゲン。前歯はもともと3本しかない。側切歯の先天欠如)

矯正治療をする人の中には、もともと歯の大きさに対してアゴが小さすぎるため、永久歯が生えるスペースがもともと足りない人もいます。

この場合は、本来生えるべきところとは違う場所に生えてきたり(図7)、骨の中に埋まったままになってしまうことがあります(図8)。

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(図7, 生える場所がなく、かなり上部から生えてきた犬歯「八重歯」)

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(図8, 犬歯の埋伏。隣の歯の根が吸収)

こどものうちにアゴを広げる治療はこのような状態が起きないように予防する効果が期待できます。

●埋伏歯の治療

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(図9, 図8レントゲンの口腔内写真。右上犬歯が埋伏して隣の前歯(側切歯)が保存できず抜歯後、開窓術を行い犬歯の牽引開始したところ)


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(図10, 図9から2か月後)


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(図11, 図9から7か月後)


埋まったままの歯(埋伏歯)は、他の歯に影響がなければそのままにしておくこともありますが、邪魔な場合は抜かなければなりません。もっとも埋伏しやすいのは第3大臼歯で、大人になって痛みが出て抜くことが多い親知らずのことです。

歯並びのことを考慮して、埋伏歯を骨の中から引っ張り出すこともあります(図9〜11)。

埋伏牽引を行うには外科処置が必要で、こどもの矯正治療では、どのタイミングで行うのが良いか見極めるのが困難なことがあります。

単に引っ張り出すだけではなく、その前に必ず埋伏歯が並ぶだけのスペースを歯列に確保しなければならないため、治療が複雑で期間も長くかかることが多くなります。

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(5)

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新年明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか?

今回も、初診相談やメール相談などで皆様からよく質問されることについてお答えしていきます。


Q9.こどもの時に治療すると、大人になってから元に戻るのでしょうか?

この質問は、成人の方が初診相談のときに「こどものときにやっていたのですが、元に戻ってしまって・・・」というお話をたまに耳にするので、それに対する答えです。

当医院で治療を開始されている方はご存じと思いますが、子供の治療(混合歯列期の治療)と大人の治療(永久歯列期の治療)は治療方法や目的が違います。

こどもの治療では、主にこれから生えてくる永久歯がきれいに生えてくるよう顎を広げたり、骨格に問題がある場合は、できるだけそれを悪くならないように顎の成長を調節したり、予防的な治療を行います。

結果としてこのような治療だけで、親知らずを除く全ての永久歯がきれいに並んで、かみ合わせも問題ない状態になることはありますが、個々の歯の細かい位置の修正などはマルチブラケット装置を用いた大人の治療が必要になります。

また、こどもの治療を行っても十分な治療効果が出ないこともあるため中学生以降に大人の治療(永久歯列期の治療)で、抜歯が必要になるケースもあります。

「こどもの時治療したのが元に戻った」と聞いた場合に、考えるのは(1)適切な治療を行っていたかどうか?ということと(2)一度治ったのが元に戻ってしまう原因があるのか?ということです。

つまり、こどもの時に当時生えていた永久歯だけをきれいに治して、治療が終わったと考えて、その後残りの永久歯が生えてきたために治した歯並びも動いたために「元に戻った」と思っているかもしれませんし、きれいに治った後に、保定装置を使用しなかった可能性もあります。このような治療は(1)の適切な治療が行われなかったために起こった「後戻り」です。

また、受け口が一度は治っていたのに思春期の成長期に、元に戻ってしまった。あるいは、以前ご説明したような唇をかむ癖、口で呼吸をする癖などが治っておらず、出っ歯や開咬などの症状が成長と共に目立つようになった。という場合は、(2)の原因のある「後戻り」ということになります。

「こどもの時治療したのが元に戻った」という人の場合はこの二つのどちらか、あるいは両方が理由のことがほとんどです。混合歯列期に治療を開始しても、親知らずを除く全ての永久歯が萌出するまで経過を観ていかなければ「いわゆる こどもの矯正治療」は完了ではありません。また、マルチブラケット装置による治療を行った後は必ず保定装置を使用しないと、歯並びは悪くなってしまいます。

まとめると、こどもの時の矯正治療だけで症状が改善されることはありますが、すべてのケースではないということ。また、せっかく良くなっても、成長による変化や、保定をしなかった(できなかった)ために歯並びが悪くなることがあるため、「こどもの時の矯正治療は、大人になってから元に戻る」と誤解されることがあるということです。

Q10.子供の矯正治療中に特に注意することはありますか?

こどもでも大人でも、使用する装置が同じであれば注意することは同じはずですが、特にこどもの場合注意すべき点は、

(1) 歯磨きがうまくできない

(2) 装置の取り扱い

(3) 状況や状態を正しく説明できない

などが挙げられます。

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(図1)

02

(図2)

図1,2を見比べると、同じ年代のお子さんで同じ固定式の装置を使用しているのですが、図2の方は歯磨きが不十分で歯肉炎になっています。

図3はお子さんによく使う取り外しができる拡大装置ですが、使い方を十分説明してもいろいろ理由をつけて使わなかったり、装置を外して遊んだりして、正しく使用できないために予定通りに歯が動かないことが時々あります。

また、大人の場合はめったにありませんが、こどもの場合はたまにどこかで外して失くしてしまうことがあります。

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(図3)

(1)、(2)については、個人差がありますので問題なく歯磨きもできて、説明通りに装置を使用できるお子さんが半数以上です。ただ、成人と比べるとどうしてもできない人の割合が多いため、ご家族の方が仕上げ磨きをしてあげたり、ちゃんと使っているか確認してあげる必要があります。

(3)は、たとえば図1,2のような装置が壊れてしまったときに、大人であれば「○○を食べているときに奥歯で咬んだら装置が取れた」というように壊れた状況が理解、説明できるため次回からは壊れないように食事を注意したり、術者側でも対応ができます。
しかし、お子さんの場合はそのような説明が出来なかったり、正直に外れたときの状況を言わなかったりすることも考えられるので、再発しないように対応するのが難しい場合があります。

ただ、このようなことはお子さんの治療では仕方がないことですし、何度も繰り返さなければ治療に大きな影響はありません。

Written by 清村矯正歯科

1月 12th, 2017 at 2:35 pm

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(4)

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Q7.取り外しのできる装置だけで治療は可能ですか?
こどもの矯正治療で使う装置には、自分で取り外しができる装置と固定式の装置があります。以前にもお話ししたように、装置は患者さんの症状に応じて選択しますので、全てのお子さんが同じ装置で治療するわけではありません。また、取り外しができる装置の中にも食事の時以外、常に付けておくものと、夜間だけ使用するものがあります(図1、2)。お口の中に固定装置を入れて、そこに取り外しのできる別の装置をひっかけるものもあります(図3、4)。
図1拡大床装置:24時間使用
図2バイオネーター:夜間のみ使用
図3ヘッドギア:家庭内のみで使用
図4プロトラクター:家庭内のみで使用
これらの装置は、顎を広げたり前後のかみ合わせを治すなど、比較的大きな変化をもたらすために使用するので、細かな歯並びに問題がある場合は、取り外しのできる装置の後で、固定式の装置が必要になることがあります(図5)。
図5部分的なブラケット装置
また、子供の治療の場合一つだけの装置で治ることはむしろ少なく、複数の装置を使うケースが多くなります。
最近よく広告などで見られる取り外し可能な装置「いわゆるマウスピース矯正」というものがあります(図6)。これはすべて永久歯になった成人用の装置ですので、子供の治療には使えません。
図6マウスピース型の矯正装置
ここに紹介した以外にも矯正装置には様々な種類があり、ネット上の広告や記事などで、色々な断片的な情報を得る機会も多いため、取り外しの装置だけで治るのものだと勘違いする方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなケースは、割合としてはかなり少ないと思います。
さらに、誤解を招く例としては、お知り合いの方から「取り外しができる装置だけで治った」という話をお聞きになった場合、それは「(すべての歯並びがきれいに)治った」のではなく、「(気になっていた受け口が)治った」「(前歯のでこぼこが)治った」だけという可能性があります。永久歯全てがきれいに並んだのを確認できるのは、早くても小学校高学年、平均的には中学生になってからです。
Q8.矯正装置を付けるときの子供への負担が心配です。
ご両親や親しいお知り合いなどに、矯正治療の経験者がいない場合、小学生以下のお子さんが矯正治療を受けるのが、どれくらい負担になるかご心配になるのは当然のことと思います。使う装置の種類にもよりますが、一般的に考えられる治療中の負担は?装置の違和感?装置の接触による舌や頬などの痛み?歯や顎の移動、変化による痛み、などが挙げられます。
?についてはほとんどの装置を付けた場合起こりうることです。いままで何もなかったお口の中に、針金や入れ歯のようなものが入るわけですから、大人、子供にかかわらず何かしらの違和感は生まれます。初めのうちは発音がしづらくなるかもしれません。取り外し可能な装置の場合は食事の時にはずせるので、食べる際の違和感はありませんが、逆にいちいち取り外すことがお子様にとっては煩わしく負担になる可能性があります。ただ、治療を受けた患者さんに尋ねると、ほとんどの人が1か月過ぎるとあまり気にならなくなるようです。
?についても同様で、初めは痛くて気になっていた人も、徐々に粘膜が固くなるので、1か月を過ぎたあたりからは慣れてくるようです。ただし、初期の痛みがなくなっても装置が壊れてしまったり、歯の位置やかみ合わせが変わることで、新たに痛みが出ることもあります。そのような場合は装置を調整して改善することもできますので、おかしいと感じたときは来院されることをおすすめします。
?については使用する装置によって感じ方が違うようです。図1〜4の装置は、すごく痛かったというお子さんはほとんどいませんが、図5の装置については、初めは痛かったという人が時々います。通常このような痛みは3〜4日でおさまるので、その期間だけはある程度我慢していただかなければなりません。どうしても痛い場合は痛み止めを飲んでも構いませんが、そのようなケースは稀です。
???共通に言えることは、違和感や痛みは感じ方の個人差が大きく、また、ご本人の性格的なものも関与するものなので、術者も保護者の方もお子様にどのように説明すればいいか難しいところです。もし、治療前に不安がある場合は治療中の方や治療をしたことのあるお知り合いの方などに、どんな感じだったか訊いてみるのが一番いいと思います

Q7.取り外しのできる装置だけで治療は可能ですか?

こどもの矯正治療で使う装置には、自分で取り外しができる装置と固定式の装置があります。

以前にもお話ししたように、装置は患者さんの症状に応じて選択しますので、全てのお子さんが同じ装置で治療するわけではありません。

また、取り外しができる装置の中にも食事の時以外、常に付けておくものと、夜間だけ使用するものがあります(図1、2)。

お口の中に固定装置を入れて、そこに取り外しのできる別の装置をひっかけるものもあります(図3、4)。

図1拡大床装置:24時間使用

図2バイオネーター:夜間のみ使用

図3ヘッドギア:家庭内のみで使用

図4プロトラクター:家庭内のみで使用

これらの装置は、顎を広げたり前後のかみ合わせを治すなど、比較的大きな変化をもたらすために使用するので、細かな歯並びに問題がある場合は、取り外しのできる装置の後で、固定式の装置が必要になることがあります(図5)。

図5部分的なブラケット装置

また、子供の治療の場合一つだけの装置で治ることはむしろ少なく、複数の装置を使うケースが多くなります。

最近よく広告などで見られる取り外し可能な装置「いわゆるマウスピース矯正」というものがあります(図6)。

これはすべて永久歯になった成人用の装置ですので、子供の治療には使えません。

図6マウスピース型の矯正装置

ここに紹介した以外にも矯正装置には様々な種類があり、ネット上の広告や記事などで、色々な断片的な情報を得る機会も多いため、取り外しの装置だけで治るのものだと勘違いする方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなケースは、割合としてはかなり少ないと思います。

さらに、誤解を招く例としては、お知り合いの方から「取り外しができる装置だけで治った」という話をお聞きになった場合、それは「(すべての歯並びがきれいに)治った」のではなく、「(気になっていた受け口が)治った」「(前歯のでこぼこが)治った」だけという可能性があります。

永久歯全てがきれいに並んだのを確認できるのは、早くても小学校高学年、平均的には中学生になってからです。

Q8.矯正装置を付けるときの子供への負担が心配です。

ご両親や親しいお知り合いなどに、矯正治療の経験者がいない場合、小学生以下のお子さんが矯正治療を受けるのが、どれくらい負担になるかご心配になるのは当然のことと思います。

使う装置の種類にもよりますが、一般的に考えられる治療中の負担は

?装置の違和感

?装置の接触による舌や頬などの痛み

?歯や顎の移動、変化による痛み、

などが挙げられます。

?についてはほとんどの装置を付けた場合起こりうることです。

いままで何もなかったお口の中に、針金や入れ歯のようなものが入るわけですから、大人、子供にかかわらず何かしらの違和感は生まれます。

初めのうちは発音がしづらくなるかもしれません。

取り外し可能な装置の場合は食事の時にはずせるので、食べる際の違和感はありませんが、逆にいちいち取り外すことがお子様にとっては煩わしく負担になる可能性があります。

ただ、治療を受けた患者さんに尋ねると、ほとんどの人が1か月過ぎるとあまり気にならなくなるようです。

?についても同様で、初めは痛くて気になっていた人も、徐々に粘膜が固くなるので、1か月を過ぎたあたりからは慣れてくるようです。

ただし、初期の痛みがなくなっても装置が壊れてしまったり、歯の位置やかみ合わせが変わることで、新たに痛みが出ることもあります。

そのような場合は装置を調整して改善することもできますので、おかしいと感じたときは来院されることをおすすめします。

?については使用する装置によって感じ方が違うようです。

図1〜4の装置は、すごく痛かったというお子さんはほとんどいませんが、図5の装置については、初めは痛かったという人が時々います。

通常このような痛みは3〜4日でおさまるので、その期間だけはある程度我慢していただかなければなりません。

どうしても痛い場合は痛み止めを飲んでも構いませんが、そのようなケースは稀です。

???共通に言えることは、違和感や痛みは感じ方の個人差が大きく、また、ご本人の性格的なものも関与するものなので、術者も保護者の方もお子様にどのように説明すればいいか難しいところです。

もし、治療前に不安がある場合は治療中の方や治療をしたことのあるお知り合いの方などに、どんな感じだったか訊いてみるのが一番いいと思います。

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(3)

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Q5.第一期治療(こどもの矯正治療)から第二期治療(本格的な矯正治療)に移行するのはいつ?

どのタイミングでマルチブラケットを使用した本格的な矯正治療に移行するかは、主に歯の生え変わりと顎骨の成長状態で判断します。

乳歯がすべて抜けて永久歯になって、第1大臼歯(6歳臼歯)の後ろから第2大臼歯が生えてきてから本格的な矯正治療に移行するのが一般的ですが(写真1、2、3)、第2大臼歯が生える時期になっても顎の発育が十分でない場合は、成長を待ってから第二期治療に移行する場合もあります。

01

写真1: 9才女児 入試の生え変わり中

02

写真2: 1年半後、入試が残り3本、下の第2大臼歯が生えてきている

01

写真3: さらに1年後:乳歯がなくなり第2大臼歯もすべて生えてきた状態

わかりやすい例で説明すると、反対咬合の場合、まだ成長が残っている時期には、マルチブラケット装置での治療を行いません。

これは成長によって下顎が前に出てくると、受け口がひどくなり歯の移動だけでは治せなくなることがあるためです。

逆に顎の発育は早いのに、歯がなかなか生え変わらない場合は装置がつけられないので生え揃うまで待たなければなりません。

ときどきみられる症状としては顎が小さすぎて(あるいは歯が大きすぎて)第2大臼歯が生えてこれない場合もあります(写真4、5)。

04

写真4: 左右の下の奥歯が倒れている

05

写真5:1年後、左は生えたが右は倒れたまま

このようなときは、他の永久歯を抜歯して生えてこない歯を並べるのか?もう少し待ったほうがいいのか? 判断が難しくなります。

Q6.第一期治療から治療を始めた場合と、第二期から治療をした場合では治療結果にどんな違いがありますか?

混合歯列期(乳歯と永久歯が両方生えている時期)から治療開始した場合と、永久歯が生えそろってから治療を始めた場合が、同じ治療結果であれば、わざわざ小さいころから時間をかけて治療するメリットはありません。早期治療のメリットは主に三つあります。

1)症状の重症化の予防

不正咬合の種類によっては、混合歯列期に放置しておくと症状がどんどん悪くなってしまう場合があります。

上下の位置関係に問題がある反対咬合や、舌の癖が原因の開咬などの症状は、早いうちに治しておかないと、将来外科手術を併用しないと治せなくなることがあります。

第一期治療である程度症状を改善、原因を除去、軽減することで重症化を予防することができます。

2)第二期治療の治療期間の短縮

軽度〜中程度の叢生(デコボコ)は第一期治療で顎を広げることで、第二期治療で抜歯をせずに治せる可能性が高くなります。

また、骨格の問題もある程度改善できていれば、第二期治療が簡単になり、治療期間が短縮できます。

3)顎骨の位置関係の改善

こどもの不正咬合は、成長や悪習癖など症状が悪化することがある反面、成長を利用した顎骨の位置関係の改善が期待できます。

反対咬合では、上の顎を前方に牽引し、上顎前突(出っ歯)では下顎の成長を促進するために夜間マウスピースのような装置を使用したりします。

残念ながら、全てのお子さんに大きな効果があるわけではありませんが、上下顎の位置関係が改善されると、かみ合わせだけでなく顔貌(特に横顔)も良くなります。

第二期からの治療の場合、顎骨の位置関係の改善があまり期待できないため、最終的な治療結果は第一期治療から始めた場合に比べると顔貌の変化が少なくなる傾向にあります。

●第一期治療の変化

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9歳男児:上顎前突、下顎が小さく後退している

12

3年後:下顎が前方に成長してバランスの良い横顔に変化した

●第二期治療の変化

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20歳女性:上顎前突、抜歯して上の前歯を後ろに下げる治療計画

14

治療後:上の前歯は後ろに下がったが、下顎の位置は変わらない

Written by 清村矯正歯科

7月 19th, 2016 at 2:27 pm

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(2)

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前回のつづきで、これまでに初診相談やメール相談でよく質問されたことについてお答えします。
Q3.矯正治療が必要かどうかよくわかりません。
初診相談時に、ご本人や保護者の方が「前歯が逆になっている」「全体的に歯がデコボコに並んでいる」など、はっきりとした治したい症状、主訴がある場合が多いのですが、中には「歯科検診や他の歯科医院で指摘されたが、どこが悪いのかはっきりわからない」「今は気になるところはないが将来的にどうなるか不安」といった理由でご相談にいらっしゃる方もいます。
お子さん自身が「歯並びを治したい」とはっきり意志表示することはあまり多くありませんので、保護者の方が歯並びについてどう考えていらっしゃるかが、矯正治療の必要性に大きく関与します。
学校歯科検診では、担当する先生によって判断が大きく違わないように不正咬合のガイドラインがあります。たとえば反対咬合(受け口)であれば「前歯が2本以上が逆にかんでいる」上顎前突(出っ歯)は「上の前歯が下の前歯に対して7〜8mm以上出ている」と、いった具合です。したがって、学校検診で指摘を受けた場合は、たとえ保護者の方が気にならなくても、高い確率で治療が必要な症状があるはずです。
就学前や小学校低学年のお子様で多いのが将来どうなるか心配で相談にいらっしゃる方です。通常小学校に入る前に下の乳前歯が抜けて永久歯が生えてきますが、その時点で歯がデコボコになっているのに気が付くことが多いようですが、このような場合は受け口や交叉咬合といった症状がなければすぐに治療を始める必要はありません。
上はまだ乳歯、この時点では治療せず
1年後、この段階から治療開始
の前歯も生え変わるころから治療を開始しても十分間に合いますし、お子さんにとってもそのほうが負担が少ないように思います。
子供の矯正治療の必要性について矯正医としては「最終的に永久歯がすべて生えそろった時にできるだけ理想に近い咬合にするために、混合歯列期のほうが改善しやすい症状(骨格や悪習癖、かみ合わせのずれなど)は早く治しておきたい」と考えます。また、すぐに治療を始める必要がなくても、しばらく経過を追っていくことで、わかってくること(歯の生え方や、かみ合わせの異常、癖など)もあります。保護者の方が矯正治療の必要性について判断できないのは当然ですので、「よくわからないけど歯並びが心配」という場合は一度矯正医に相談していただくのが一番だと思います。
Q4.歯科医院によって治療方針が違うので、どうすればよいかわからない。
矯正治療を始める際に、複数の歯科医院に相談に訪れる方もいらっしゃいます。複数の先生の意見をきいてどこで治療を始めるか検討することは悪いことではありません。大人と比べ治療期間が長くなるお子様の治療は、治療前によく考えて、納得してから始めるほうが治療中の不安も少なくなるかもしれません。
「A歯科医院では取り外し式装置を使うといわれたが、B歯科医院では固定式の装置を使うといわれた」「C歯科医院ではすぐ始めるといわれたがD歯科医院ではもう少し待つようにいわれた」など、患者さんの立場からすればどれが正しいのかわからず困ってしまうかもしれません。しかしながら、「どのような装置を使うか」「いつからはじめるか」という問題は一般的な考えから大きくずれていなければどれでも正解と思います。先ほどの例のように、まだ永久歯がほとんど生えてないのに治療を始めるのは「?」ですが、適切な開始時期を逃さないために早めに準備をしておくために、少し早くから治療を始めたいという先生もいるかもしれませんので、開始時期が多少違っているのはどちらも間違いではないと思います。使用する装置についても、術者の好みやこれまでの経験などで選択が違うことはよくあるので、効果が同じ装置の場合は取り外し式でも固定式でも正解と思います。どこで治療をはじめても同じだとは言いませんが、いろいろ治療方法をきいて、もっとも納得できたところではじめればいいと思います。
一つだけ注意してもらいたいのは、相談した先生に矯正治療の経験が十分にあるかどうか、大学病院等の矯正歯科で研修を受けていて専門的な知識があるかどうかいう点です。患者さんがこのことを確認するのは困難ですから、診療科目が「矯正歯科のみ」の矯正歯科専門の歯科医院ならまず間違いありません。それ以外の歯科医院では担当医に「日本矯正歯科学会の認定医」の資格があることが一つの目安になります。
※それ以外の先生が全くダメというわけではありませんが・・・。

前回のつづきで、これまでに初診相談やメール相談でよく質問されたことについてお答えします。

Q3.矯正治療が必要かどうかよくわかりません。

初診相談時に、ご本人や保護者の方が「前歯が逆になっている」「全体的に歯がデコボコに並んでいる」など、はっきりとした治したい症状、主訴がある場合が多いのですが、中には「歯科検診や他の歯科医院で指摘されたが、どこが悪いのかはっきりわからない」「今は気になるところはないが将来的にどうなるか不安」といった理由でご相談にいらっしゃる方もいます。

お子さん自身が「歯並びを治したい」とはっきり意志表示することはあまり多くありませんので、保護者の方が歯並びについてどう考えていらっしゃるかが、矯正治療の必要性に大きく関与します。

学校歯科検診では、担当する先生によって判断が大きく違わないように不正咬合のガイドラインがあります。

たとえば、

反対咬合(受け口)であれば「前歯が2本以上が逆にかんでいる」、上顎前突(出っ歯)は「上の前歯が下の前歯に対して7〜8mm以上出ている」と、いった具合です。

したがって、学校検診で指摘を受けた場合は、たとえ保護者の方が気にならなくても、高い確率で治療が必要な症状があるはずです。

就学前や小学校低学年のお子様で多いのが将来どうなるか心配で相談にいらっしゃる方です。

通常小学校に入る前に下の乳前歯が抜けて永久歯が生えてきますが、その時点で歯がデコボコになっているのに気が付くことが多いようですが、このような場合は受け口や交叉咬合といった症状がなければすぐに治療を始める必要はありません。

001002

上はまだ乳歯、この時点では治療せず

003004

1年後、この段階から治療開始

上の前歯も生え変わるころから治療を開始しても十分間に合いますし、お子さんにとってもそのほうが負担が少ないように思います。

子供の矯正治療の必要性について矯正医としては「最終的に永久歯がすべて生えそろった時にできるだけ理想に近い咬合にするために、混合歯列期のほうが改善しやすい症状(骨格や悪習癖、かみ合わせのずれなど)は早く治しておきたい」と考えます。

また、すぐに治療を始める必要がなくても、しばらく経過を追っていくことで、わかってくること(歯の生え方や、かみ合わせの異常、癖など)もあります。保護者の方が矯正治療の必要性について判断できないのは当然ですので、「よくわからないけど歯並びが心配」という場合は一度矯正医に相談していただくのが一番だと思います。

Q4.歯科医院によって治療方針が違うので、どうすればよいかわからない。

矯正治療を始める際に、複数の歯科医院に相談に訪れる方もいらっしゃいます。複数の先生の意見をきいてどこで治療を始めるか検討することは悪いことではありません。

大人と比べ治療期間が長くなるお子様の治療は、治療前によく考えて、納得してから始めるほうが治療中の不安も少なくなるかもしれません。

「A歯科医院では取り外し式装置を使うといわれたが、B歯科医院では固定式の装置を使うといわれた」

「C歯科医院ではすぐ始めるといわれたがD歯科医院ではもう少し待つようにいわれた」

など、患者さんの立場からすればどれが正しいのかわからず困ってしまうかもしれません。

しかしながら、「どのような装置を使うか」「いつからはじめるか」という問題は一般的な考えから大きくずれていなければどれでも正解と思います。

先ほどの例のように、まだ永久歯がほとんど生えてないのに治療を始めるのは「?」ですが、適切な開始時期を逃さないために早めに準備をしておくために、少し早くから治療を始めたいという先生もいるかもしれませんので、開始時期が多少違っているのはどちらも間違いではないと思います。

使用する装置についても、術者の好みやこれまでの経験などで選択が違うことはよくあるので、効果が同じ装置の場合は取り外し式でも固定式でも正解と思います。

どこで治療をはじめても同じだとは言いませんが、いろいろ治療方法をきいて、もっとも納得できたところではじめればいいと思います。

一つだけ注意してもらいたいのは、相談した先生に矯正治療の経験が十分にあるかどうか、大学病院等の矯正歯科で研修を受けていて専門的な知識があるかどうかいう点です。

患者さんがこのことを確認するのは困難ですから、診療科目が「矯正歯科のみ」の矯正歯科専門の歯科医院ならまず間違いありません。

それ以外の歯科医院では担当医に「日本矯正歯科学会の認定医」の資格があることが一つの目安になります。※それ以外の先生が全くダメというわけではありませんが・・・。

よくある質問Q&A 子供の矯正治療(1)

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新年明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか?
今回から、初診相談やメール相談などで皆様からよく質問されることについてお答えしていくQ&Aを始めたいと思います。
初めは子供の矯正治療についてです。
Q1.いつから(何歳から)治療をはじめればいいですか?
子供の矯正治療は、上下の顎の骨のバランスや大きさを整えて、将来永久歯がきちんと生える準備をする治療で、乳歯から永久歯に生えかわる混合歯列期に行います。ただ、治療をはじめるタイミングは、歯並びの状態によって違います。反対咬合(図?)の場合、状態にもよりますが、前歯が生えてくるまで待っていると、治すのが難しくなるケースがあります。また、乳歯列期(乳歯だけの歯並び)でも、割と簡単な装置で改善することができるため、3〜6歳ぐらいでも治療を開始することがあります。一方で叢生(図?)の場合は、子供の矯正治療では顎を拡大することで、将来生えてくる永久歯のスペースを確保する治療を行うので、前歯が永久歯に生え変わるころのほうが、装置も作りやすく、また、どの程度顎を広げればよいかも予測しやすいため、7〜10歳ぐらいが治療開始時期としては適しています。
●小児矯正、治療開始時期は?
また、図?のように不正咬合が1つではなく複数見られる場合もあるため、「何歳から始めればよい」という判断は簡単ではありません。
さらに、治療はすぐに必要でも、お子さんが装置を使えるかどうかということも、治療開始時期に影響します。
相談者の方から「他の歯医者さんでは
すぐ始めたほうが良いと言われた又は、永久歯が生
えるまで待つように言われた」ということをよく耳
にします。これは治療開始の判断がそれだけいろい
ろな要素を総合的に判断して決めなければならない
ため、担当医の経験や考え方によっても異なってく
るからなのです。
●小児矯正の内容は?
Q1.子供の矯正治療ではどのような治療をしますか?
子供と大人(高校生以上)の矯正治療の主な違いは(1)永久歯がすべて生えているかどうか?(2)顎の骨の成長があるかどうか?の2点です。子供の場合、全ての永久歯が生えているわけではないので、全ての歯をきれいに並べることができません。また、成長中のため歯並び自体も変化していきます。したがってこの時期は、細かな歯並びよりも全体的なかみ合わせや、顎の位置関係の不正を治す治療を第一の目的として治療を行います。
永久歯がすべて生えそろった中学生以上のお子さんや成人ではマルチブラケット装置(図?)を使って、ひとつひとつの歯をきれいに並べる治療を行いますが、乳歯も永久歯も生えている混合歯列期には、症状によって様々な装置を使用します。
下顎の発育が悪い上顎前突(出っ歯)の人は下顎の発育をよくする装置(ヘッドギアー、バイオネーター図?)などを使用し、逆に下顎の発育が良すぎる人は、上顎前方牽引装置などを使用します。永久歯がまだ生えていない、乳歯の反対咬合ではムーシールド(図?)を使用して下顎を前に出して咬む癖を治します。
また、将来的に永久歯が生えるスペースが足りないと思われる人には、顎を左右に広げる拡大装置(図?)を使用します。

新年明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか?

今回から、初診相談やメール相談などで皆様からよく質問されることについてお答えしていくQ&Aを始めたいと思います。初めは子供の矯正治療についてです。

Q1.いつから(何歳から)治療をはじめればいいですか?

子供の矯正治療は、上下の顎の骨のバランスや大きさを整えて、将来永久歯がきちんと生える準備をする治療で、乳歯から永久歯に生えかわる混合歯列期に行います。

ただ、治療をはじめるタイミングは、歯並びの状態によって違います。

反対咬合(図1)の場合、状態にもよりますが、前歯が生えてくるまで待っていると、治すのが難しくなるケースがあります。

また、乳歯列期(乳歯だけの歯並び)でも、割と簡単な装置で改善することができるため、3〜6歳ぐらいでも治療を開始することがあります。

一方で叢生(図2)の場合は、子供の矯正治療では顎を拡大することで、将来生えてくる永久歯のスペースを確保する治療を行うので、前歯が永久歯に生え変わるころのほうが、装置も作りやすく、また、どの程度顎を広げればよいかも予測しやすいため、7〜10歳ぐらいが治療開始時期としては適しています。

●小児矯正、治療開始時期は?

001
図1 反対咬合(乳歯列)

002
図2 叢生(混合歯列)


また、図3のように不正咬合が1つではなく複数見られる場合もあるため、「何歳から始めればよい」という判断は簡単ではありません。

003
図3 反対咬合と叢生(永久歯列)

さらに、治療はすぐに必要でも、お子さんが装置を使えるかどうかということも、治療開始時期に影響します。

相談者の方から「他の歯医者さんではすぐ始めたほうが良いと言われた又は、永久歯が生えるまで待つように言われた」ということをよく耳にします。

これは治療開始の判断がそれだけいろいろな要素を総合的に判断して決めなければならないため、担当医の経験や考え方によっても異なってくるからなのです。

●小児矯正の内容は?

Q1.子供の矯正治療ではどのような治療をしますか?

子供と大人(高校生以上)の矯正治療の主な違いは

(1)永久歯がすべて生えているかどうか?

(2)顎の骨の成長があるかどうか?の2点です。

子供の場合、全ての永久歯が生えているわけではないので、全ての歯をきれいに並べることができません。また、成長中のため歯並び自体も変化していきます。したがってこの時期は、細かな歯並びよりも全体的なかみ合わせや、顎の位置関係の不正を治す治療を第一の目的として治療を行います。

永久歯がすべて生えそろった中学生以上のお子さんや成人ではマルチブラケット装置(図4)を使って、ひとつひとつの歯をきれいに並べる治療を行いますが、乳歯も永久歯も生えている混合歯列期には、症状によって様々な装置を使用します。

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図4 マルチブラケット装置


005
図4 バイオネーター

006
図5 ムーシールド

下顎の発育が悪い上顎前突(出っ歯)の人は下顎の発育をよくする装置(ヘッドギアー、バイオネーター図?)などを使用し、逆に下顎の発育が良すぎる人は、上顎前方牽引装置などを使用します。永久歯がまだ生えていない、乳歯の反対咬合ではムーシールド(図5)を使用して下顎を前に出して咬む癖を治します。

また、将来的に永久歯が生えるスペースが足りないと思われる人には、顎を左右に広げる拡大装置(図6)を使用します。

007
図6 拡大装置(可撤式)

Written by 清村矯正歯科

1月 12th, 2016 at 12:42 pm

正しい嚥下と誤った嚥下(2)

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前回説明した「正しい嚥下」のポイントをまとめると以下の5つになります。

1) 舌の先がスポットについている(図1)

2) 唇は閉じてリラックスしている

3) 奥歯は噛んだ状態

4) 舌の先から真ん中、後ろへと徐々に上顎の裏(口蓋)を吸い上げる

5) 舌後方部(奥の部分)が軟口蓋(ノドの奥)と接触する

4)、5)は自分で認識するのが少し難しいかもしれませんが、1)、2)、3)はすぐに確認できると思います。食事の時に口の周りが汚れやすい人は、鼻呼吸が苦手なために口が開いていたり、物を飲み込む時に舌が前に出ていることが原因なので、要注意です。

逆に飲み込む時に唇や周りの筋肉が緊張している人は、舌の圧力で食べ物が飛び出ないようにしていることが原因の可能性があります。奥歯を噛みしめずに飲み込んでいる人は多くの場合、上下の歯の隙間に舌が入り込んでいるためと思われます。これらの習慣は以前お話ししたように上顎前突や開咬などの不正咬合の原因となります。

001

図(1)スポット(切歯乳頭後方部)

正しい嚥下ができない原因

1)〜5)の条件を満たした状態で物を飲み込むことが「正しい嚥下」になるので、トレーニングを行っていくのですが、どうしてもできない場合もあります。口呼吸をする人の中には、鼻やのどの病気(アレルギー性鼻炎、扁桃肥大など)が原因のことが多く、症状がひどければ鼻での呼吸ができないので、耳鼻科での治療を先に行う必要があります。また、舌小帯(舌の下にある筋 図?)がもともと短い舌小帯短縮症の場合、舌が口蓋まで持ち上がらないため、切除が必要になります。舌が上に持ち上がらない人は発音にも影響が出ます。

上記のような問題がなくても、舌の力が極端に弱かったり、舌を思うように動かせない人には、まずはじめに舌を動かすためのトレーニングが必要になります(ベーシックエクササイズ)。また、指しゃぶりや鉛筆を噛むなどの癖がある人は、トレーニングを始める前に止めるようにします。症状によっては、顎を広げたり前歯を並べるなどの矯正治療を先に行う場合もあります。

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図(2)舌小帯

1)ベーシックトレーニング

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舌を動かすトレーニングです。これらの動きができない場合は、正しい嚥下ができないため、まずこの運動から始めます。嚥下に問題がある人は?や?の動きが苦手の人が多いです。舌の先だけでなく舌の真ん中を意識的に動かすことが難しいようです。

初めはできなくても毎日練習すればほとんどの人はできるようになります。

2)レッスンの内容

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ベーシックトレーニングができるようになったら、正しい舌の位置を覚えること、そして正しく嚥下するための舌の動かし方を覚えます。

ポッピング、オープンアンドクローズ、タングドラッグなどの運動は、嚥下に問題がある人が普段使っていない舌の筋肉を鍛える運動です。<参考文献> 舌のトレーニング/わかば出版株式会社

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正しい嚥下と誤った嚥下(1)

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不正咬合と嚥下の関係

● 嚥下とは

食事を摂るとき、食物を認識して噛みくだき(咀嚼:そしゃく)、飲み込みやすくして、口の中(口腔)から咽頭へ食物を送り込みます。 その後咽頭から食道、食道から胃へと食物を送り込みます。 この、一連の流れを(摂食・嚥下いい、嚥下:えんげとは、ものを飲み込み胃に送ることを示します。

● 不正咬合と嚥下の関係

小児を対象にした嚥下時の舌圧を計測した研究結果では、その力は大体400g/cm2ほどだったそうです。また、指しゃぶりをする小児の口蓋前方部(上アゴの前歯の裏側辺り)にかかる指による圧力は3〜4kg/ cm2ほどだったそうです。

ちなみに、矯正治療でエッジワイズ装置を使って前歯を後方に移動させるときの最適な力は、1歯に対して数十gと言われていますので、舌の力は矯正装置の力と同じかそれ以上に強いわけです。

別の研究によると、嚥下運動の回数は1日約600回で、平常時が2〜3分に1回、食事時が15〜20秒に1回くらいとされています。1日でこれだけ多くの回数、舌や頬、顎の筋肉を動かすわけですから、それが誤った方法で行われ続ければ、歯並びや顎の骨の形態に影響を与えることは容易に想像できると思います。

小児嚥下と成人嚥下


(1)乳児(型)嚥下

人が生まれて初めておこなう栄養摂取は哺乳 (おっぱいを飲むこと)です。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中はこの哺乳を行うために適した形になっています。また、哺乳のため、哺乳反射(赤ちゃんが口に入ってきたものを反射的に吸う行動)という機能が備わっています。この哺乳反射により、主として舌の動きによって連続した乳汁摂取(おっぱいを飲み続ける)がなされます。この頃の嚥下は、

1.口を大きく開けたま
2.口腔内の奥まで乳首を引き込み
3.舌を前後に動かすことで嚥下する「乳児嚥下」とよばれる動きです。


(2)乳児嚥下から成人嚥下へ

乳児期に特徴的な口腔内の形態は、成長とともに著しく変化し、やがて消えていきます。また、下顔面の成長とともに咽頭腔(のどと声帯の周辺)が拡大し、喉頭の位置も下がっていくため、嚥下の動きは乳児嚥下から成人嚥下へと変化していきます。このような機能面の成長発達に伴い、また、大脳の発達と共に、反射による動きから、随意運動による「成人嚥下」の機能を獲得していきます。


(3)成人(型)嚥下

成人嚥下とは1.口唇を閉じ2.咀嚼や舌の動きによる食塊形成ができ、3.舌を口蓋(上顎の裏)に付けて4.上下の歯がかみ合った状態でものを飲み込む動きをいいます。

「誤った嚥下」では、唇は閉じていても、乳児嚥下のように歯と歯の間に舌が突き出ており、十分に舌が持ち上がっていません。また、飲み込むたびに前歯に舌の圧力がかかっています。

Written by 清村矯正歯科

4月 16th, 2015 at 2:02 pm

歯並びと癖の関係(5−2)

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前回は、舌の癖の発音への影響についての話でした。今回ももう少しだけこの話をします。

4)構音(発音)の誤り

(1)聴覚印象による分類

構音の誤りは聴覚印象に基づき?省略?置換?歪みに分類されます。省略とは子音部分が抜けて母音だけが聞こえる誤りです(例:ダッコ→アッコ、ダメ→アメ)。

置換とは子音部分が他の子音に置き換わる誤りです(例:タイコ→カイコ、テレビ→テベビ)。歪みとは、正しい発音ではなく聴き取りづらい、日本語では表記できないような音になる誤りです。

(2)構音パターンによる分類

?構音位置の誤り

例1:歯間化構音:舌先を上アゴ近くに持ち上げて発音するサ行の音が、上下前歯の間に舌先が前方に出て発音するため、英語の/th/のように聞こえる。例2:構音位置の前方化:カ行の発音は舌の中央、後方部を上に持ち上げて行うが、これを舌先で構音するためにカ行とタ行が同じ音になる(カモメ→タモメ)。

●構音(発音)の誤り

例1:弾き音の破裂音化:ラ行は舌先を上アゴまで持ち上げて前後に弾く動作が必要だが、弾く動作が出来ずに破裂音になりラ行がダ行になる(ラジオ→ダジオ)。例2:摩擦音の破裂音化:サ行とタ行は同じ構音位置だが、サ行は空気を喉の奥から上前歯方向に少しずつ吐き出す摩擦音で、タ行は空気を一気に吐き出す破裂音の違いがあるが、これが同じになってしまう(サカナ→タカナ)。

そのほかにも、舌の動きが未発達なために起こる発音の誤りはあります。(口蓋化構音:こもった感じの音。タ行→カ行、ダ行→ガ行、ラ行→ガ行などに聴こえる。

側音化構音:シ→ヒ、チ→キ、ジ→ギのようになる、こもって唾液が混じったような雑音。)

5)構音訓練とMFT

構音訓練とは発音の誤りが習慣化し聴覚的に正しい音を聞かせても模倣が見られず、発達年齢から考えても自然改善が望めない場合に行うそうです。大体5歳頃から開始するのが一般的なようですが、訓練には言語聴覚士(療法士)の指導が必要なため、小児科のある比較的大きな病院で実施していることが多いようです。歯科で実施している所は大学病院以外ではほとんどないと思います。

●MFT(筋機能訓練法)

構音障害の改善には言語聴覚士による構音訓練だけではなく、歯科医師、歯科衛生士によるMFTを実施することで、効果が上がることがあります。先ほど説明した歯間化構音、口蓋化構音、側音化構音は舌の訓練により、発音の改善が期待できます。

以下の図は当院で実際に行っているMFTのためのテキストの一部です。毎日地道なトレーニングが必要で、成果がなかなか上がらないことも多く、実際に続けるのはなかなか大変ですので、お子様には保護者のご協力が必要になります。また、お子様だけでなく大人の方でも効果があります。

201501

歯並びと癖の関係(5−1)

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●鼻呼吸の確認と練習

前回、口呼吸によるいろいろな影響について説明しましたが、今回は日常的に口呼吸なのか鼻呼吸なのかの確認と、鼻呼吸の練習法について説明します。

1)鼻呼吸の確認

まず、鼻の疾患や呼吸障害がないことを確認します。何か問題がある場合は正しく確認できないためそれらの問題、症状の治療を行う必要があります。鼻や呼吸器に問題がないことが確認できたら、鼻の穴の下、上唇の上に小さな手鏡を当てて普段通りに呼吸してみます。鏡が曇れば鼻で呼吸ができていることになります。左右両方の穴から同様に空気が出ているほうがよいのですが、どちらか片方だけの場合もあります。

鏡が曇らない、又は短時間(1分以下)しか鼻から呼吸ができない場合は鼻呼吸の練習が必要と判断します。

2)鼻呼吸の練習法

食事以外のリラックスしている時間に1日数回、鼻呼吸の練習をします。時間を計りながら少しずつ鼻呼吸の持続時間を延ばしていきます。トレーニングをするときのポイントは?背筋を伸ばして胸をはる(空気が吸い込みやすくなります。)?舌は上顎にくっつけて、歯に触れない(正しい舌の位置を覚えるため。この位置に舌があると口呼吸はやりづらい)?唇を閉じたままで少しだけ下顎を前進させる(咽喉が広がり空気が通りやすくなる。)

また、普段から口呼吸の方はノドが腫れやすいので、帰宅したら必ずうがいをしてください。ある程度鼻呼吸ができるようになったら、ゴム風船を使うのも良いトレーニングになります。口に風船を咥えたまま、鼻だけで空気を吸って風船を膨らますと、口を閉じる筋肉も鍛えられます。

●舌突出癖の発音への影響

1)発音障害の問題点

発音(構音)障害とは、話し言葉の中のあるきまった音を正しく発音できずに習慣化した状態をいいます。発音障害の問題点は、コミュニケーションに支障をきたしてしまうことです。特に子供の場合、自分の意志が伝えにくくなったり、何度も聞き返されたりすることで心理的に悪影響がおこる可能性が考えられます。

2)発音障害の原因

発音障害は、不正咬合による歯列やかみ合わせの問題だけでなく、耳鼻咽頭疾患に関連する口腔内の形態・構造的問題、咀嚼・嚥下時の口唇や舌の運動パターンの異常など、様々な要因が複雑に重複して生じると考えられています。    したがって、発音障害を治すために不正咬合を改善することは必要ですが、矯正治療をすれば必ず発音も良くなるわけではありません。

●舌突出癖の発音への影響

3)日本語の発音について

発音障害を考えるために、まずは日本語の発音のしくみについて少し説明します。日本語の音は母音と子音が組み合わさった「音節(ひらがな一文字で表される音)からできています。したがって、発音の良し悪しは母音、子音どちらに問題があるのか両面から評価する必要があります。

母音は、発音時の舌の位置とアゴの開口量、によって5種類(ア、イ、ウ、エ、オ)に分けられます。下図1は母音発音時の下の位置と唇の形を表したものです。

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図1 日本語の母音

子音は、構音(音をつくりだす)する位置と方法によって分類されます。構音位置には?唇で発音する両唇音(パ、バ、マ行、フ、ワ)?上の歯又は歯ぐきと舌尖で発音する歯音・歯茎音(タ、ダ、サ、ザ、ラ、ナ行、ツ)?歯茎音よりやや後方で発音する歯茎硬口蓋音(シャ、チャ、ジャ、ニャ行)?硬口蓋の後方で発音する硬口蓋音(ヒャ、ヤ行)などの種類があります。構音方法には?声道(口唇から咽頭までの空間)を一時的に閉鎖・開放して出る破裂音(パ、タ、カ行など)?声道の一部を狭めることで摩擦つくる摩擦音(サ、シャ、ハ行など)?破裂につづいて摩擦することで出る破擦音(ザ、チャ、ジャ行など)などに分類できます。

舌突出癖のある方で、口呼吸が常態化していると唇の力が弱くなり両唇音(パ、バ、マ行)が不明瞭になります(構音位置の誤り)。また、舌を上に持ち上げるのが苦手なために本来は、舌先を上に持ち上げて歯や歯茎を使って発音する歯茎音(サ、タ行など)が、日頃の習慣で上下の前歯の間に舌尖がでて歯間化音(英語の/th/のような音)になることがあります。そして、このように舌がしっかり動いていない発音は一般的に「赤ちゃんのことば」のような印象を与えます。

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10月 2nd, 2014 at 11:34 am

歯並びと癖の関係(4)

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口呼吸の原因と影響

前回からは舌突出癖の原因と影響についてお話ししましたが、今回は口呼吸について説明します。

1)口呼吸の原因

胎児は母親のお腹の中では呼吸をしておらず、生まれると同時に肺呼吸を始めます。新生児は哺乳中、鼻呼吸で睡眠中も鼻で息をしています。生後6ヶ月頃からアー、ウーなど発語するようになり、これが口で意識的に息を吐く最初の行動といわれています。

通常、鼻での呼吸が困難になると、代わりに口を開けて息をするようになります。鼻呼吸が困難になる原因は鼻閉(鼻づまり)です。

生後6ヶ月、母親からもらった免疫効果が失われて発語が始まるころから、乳児は様々な病気にかかりやすくなるといわれていますが、風邪はそのもっと初期的、一般的なものです。

風邪をひくと鼻の粘膜が腫れて鼻呼吸が困難になり口呼吸になります。風邪をひいて、それが治ることを繰り返すことで、鼻閉時に口呼吸をすることを覚えていきます。

風邪以外に鼻閉又は鼻呼吸障害を起こす病気にはアデノイド、扁桃肥大、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲など、色々ありますが、もっとも一般的で頻度が高いのが、アデノイド肥大と(口蓋)扁桃肥大です。

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※アデノイドや口蓋扁桃が肥大すると気道が狭くなるので、鼻だけでなく口からも空気を取り入れようとするため口呼吸が習慣化しやすい。

鼻呼吸障害による口呼吸は成人でも同じように起こりますが、まだ未発達で、自分の意志で長時間口を閉じ、鼻で息をするのが困難な乳幼児や小児の場合、口で息をするのに慣れてしまうと、鼻閉が治っても鼻呼吸をせずに普段から口呼吸になってしまうことがあり(口呼吸の習慣化)このような場合、歯並びだけではなく、顎顔面形態、心肺機能、精神身体発育にも影響を及ぼすという報告もあるようです。

また、何らかの理由で前歯が生え変わるころ、永久歯が外側に傾斜し、いわゆる「出っ歯」や「上下顎前突」になることで、口が閉じずづらくなり、その結果鼻呼吸が可能なのに口呼吸が習慣化してしまう場合もあります。

2)鼻呼吸と口呼吸の違い

私たちが普段吸い込む空気には様々な雑菌(病原菌)が含まれていますが、鼻呼吸では病原菌の50〜80%は鼻の粘膜に吸着し処理されます。

冬の冷たく乾いた空気も鼻腔(鼻の奥の空間)で暖められ、湿度を含んだ状態で喉(のど)まで到達します。加湿が十分だと肺にある肺胞粘膜から酸素がスムーズに吸収でき、身体にも十分な酸素が供給されるので免疫力も向上するといわれています。

一方、口呼吸では口から吸入した空気は、そのまま喉まで入ってしまい、喉の粘膜が様々な病原菌に無防備にさらされることになります。

喉には、温度、湿度の調節機能がないので、外気を吸い込んだ時とほぼ同じ状態の空気が喉へ到達するため、喉を乾燥させたり、冷やしたりして、リンパ組織に損傷を与えることになります。

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また、空気が鼻を通らないと、鼻腔は汚れが停滞してしまい、鼻粘膜が炎症を起こして肥厚するため、鼻の通りが悪くなり、その結果酸素が吸収されにくい環境になります。

3)口呼吸と食事

鼻呼吸が出来ず口で呼吸しながら食事をすると、物を噛んだり、飲み込んだりする食べ物の処理と、呼吸が協調せず、むせやすくなったり、口を開けているので、くちゃくちゃと音がしたり、食べ物が口の周りに付いたりしやすくなります。

4)口呼吸の歯周組織への影響

口呼吸が習慣化すると、常に口が開いているので口の中が乾燥し、食べ物や飲み物によるやプラークの石灰化が起こりやすくなります。

プラークの石灰化とは、食べかすが歯にこびりついて固くなった状態のことで、通常の歯磨きでは落としきれない頑固な汚れのことです。

この状態が続くと、歯磨きをしっかり行っても汚れが取れず、色素沈着や口臭の原因になるだけでなく、炎症が治りにくくなりため、歯肉炎が慢性化して歯肉の肥大や角化が起こります。

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口呼吸が原因と思われる歯肉の肥厚

※歯はきれいに磨けているが歯肉は腫れているように見える

また、口呼吸が原因で舌の位置が下がり、常に舌で下顎前歯を押すようになったり(低位舌)、飲み物や食べ物を飲み込むたびに舌で前歯を押す癖(異常嚥下癖、舌突出癖)がついたりすると、歯を支えている歯周組織が弱り、歯周病を誘発します。

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低位舌、舌突出癖

※上下の歯の隙間から舌が見える。普段から舌で前歯押している様子が伺える

歯並びと癖の関係(3)

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舌突出癖

引き続き「歯並びと癖の関係」のお話をします。前回は「舌突出癖」の種類について説明したところ終わりましたので、今回はその種類と原因、影響についての話です。

●舌突出癖の種類

「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」とは簡単に言えば、安静時、嚥下時(食べ物、飲み物を飲みこむ時)などに、正常ではない舌の動かし方をする癖のことです。普段の舌の位置や嚥下時の突出の仕方によって6種類に分類されます。

癖の種類によって引き起こされる不正咬合の症状も異なります。

(1)前方突出型?前歯部開咬タイプ:嚥下時に舌が前に突出して安静時も上下の前歯の間に舌がある?上顎前突タイプ:安静時も舌が上の前歯を押していて、下の前歯は内側に倒れている。

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(2)上下顎突出タイプ型:安静時に舌は上下の前歯の裏側に接しており、嚥下時に上下の前歯を押すため上下顎前突を呈する

(3)片側性突出型:安静時、嚥下時に前ではなく舌が左右どちらかの上下の側方歯(横側)の間に入り込み、側方に開咬がみられる。反対側の側方歯は噛んでいる状態。

(4)両側性突出型:安静時、嚥下時に舌が左右の上下側方歯の間に入り込み、前歯と奥歯のみが噛んでいて、犬歯、小臼歯は咬合していない。

(5)全突出型:嚥下時に舌がすべての歯を押している。噛んだ時に接するのは奥歯のみで、安静時は低位(下側)にある(右上写真)。

(6)下顎突出型:嚥下時に舌が下の前歯又は下の歯列全体を押している。重度の下顎前突(受け口)に多くみられ、外科手術による治療が必要になることが多い。

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■全突出型の舌突出癖

●舌突出癖の原因

舌の癖がおこる原因は一つだけではなく色々な原因が重複して起こっていることが多く、そのため改善が困難なことがよくあります。

(1) 指しゃぶり:前回説明しましたが、長期間続く指しゃぶりや衣服やタオルなどを噛む癖も上下の前歯の萌出を妨げ、開咬を引き起こします。

この結果、嚥下時や安静時に上下の前歯の間に舌を挟むような癖がおこりやすくなります。

(2)舌の大きさと舌小帯:口の中の容積に対して大きすぎる舌(巨大舌)や舌の裏側にある細い筋(舌小帯)が短すぎる場合、舌が正常に運動できないため、正しい嚥下ができなくなります。また、安静時にも下方に位置しやすくなり(低位舌)開咬になりやすくなります。

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■大きい舌により生じた開咬と反対咬合

(3)歯の欠如:外傷や早期に虫歯で抜いてしまった乳歯、先天性の歯の欠損は、歯列に隙間が生じるためその隙間に舌を突き出しやすくなります。

(4)上下の顎の位置関係:下顎の過成長や劣成長など骨格的要因により、上下のかみ合わせが極端に悪い場合、噛んだ時に上下の前歯に隙間が生じます。その隙間を埋めようとして舌が突出することがあります。顎の位置関係は遺伝的な要因が関連している場合が多くあります。

(5)アレルギー性鼻炎、扁桃腺、アデノイド肥大など:鼻咽腔疾患があると口呼吸をしょうじます。口呼吸は口から空気を吸いやすくするために口をあけて、舌の位置も下方や前方になり、嚥下時にも突出するようになります。

(6)口腔周囲筋の低下:口呼吸が習慣化すると唇を閉じる筋肉(口腔周囲筋)が弱くなり、さらに口が閉じづらくなります。本来は唇の力によって内側に向いているはずの歯が舌の圧力によって外側に押し出

され、開咬や上下顎前突、歯に隙間が生じ、ますます口を閉じるのが困難になるため、舌を前に突出しやすい歯並びに変化していきます。

●舌突出癖の影響

(1)機能的影響

?嚥下:正しい嚥下ができず、噛んだ食べ物が舌に押し出され歯列の外側に出てしまい、口の周りが汚くなります。開咬になると、前歯でものが噛めないため、奥歯ばかり使うようになり、奥歯の寿命が短くなることがあります。

?発音:舌が正しく使えないために発音が不明瞭になりやすく、特にサ行、タ行に影響が出ます。

※嚥下、発音については後日詳しく説明する予定です。

(2)形態的影響

前述したように舌突出癖は前歯や側方歯を押すため、様々な不正咬合を引き起こします。不正咬合は舌癖だけではなく骨格や唇や頬の筋肉、咀嚼筋(噛んだり口を開閉するための筋肉)とも深く関連しているため、舌の癖がある人がみんな同じ歯並びになるというわけではありません。

また、初めはそれほど歯並びに影響がないような癖も、長年放置することで症状が悪化して、骨格にまで変化を生じさせるケースもあります。歯の位置や骨格が変化すれば当然、軟組織(口元や顔つき)にも影響が出ます。

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■下顎の成長方向が下方で扁桃肥大と舌突出癖のある上下顎前突。口元が突出している。

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■下顎の成長方向は前方で、舌突出癖がある開咬。口元は引っ込んでいる。

歯並びと癖の関係(2)

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前回からの続きで、歯並びと癖のお話をしたいと思います。

前回、口腔習癖(口に関連する癖)のなかでも、よく知られている「指しゃぶり」の原因について説明しましたので、今回はその影響についての話です。

5歳以降まで継続した指しゃぶりは、不正咬合だけでなく咬合、嚥下(ものを飲み込むこと)、発音、呼吸などの口腔機能にも影響を生じることがあります。

指しゃぶりの影響

(1)歯列、咬合への影響

指しゃぶりによる影響は、もともとの骨格や筋肉の強さなどに加えて、吸引する指の種類、頻度、吸引の強さなどによって個人差があります。

したがって、指しゃぶりをする子どものすべてが不正咬合になるわけではありませんが、長期間続くほど歯並びや噛み合わせへの影響は大きくなります。

もっとも多くみられる親指の指しゃぶりは、親指の腹側が上顎の前歯と前歯が生えている骨の部分を圧迫し、背(爪)側は下顎前歯に接触します。

その結果、上の前歯は前又は上方に、下の前歯は内側に倒れるか下方に押されるため、上顎前突(出っ歯)や開咬といった不正咬合を引き起こします(下図)。

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又、指を強く吸うタイプでは頬の筋肉が収縮することで上顎の横側の歯が内側に倒れて歯列がV字型になり、出っ歯や交叉咬合(下の奥歯のほうが上の奥歯より外側になって噛む状態)になることがあります(写真1、2)。

写真1 V字歯列

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写真2 開咬と交叉咬合

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(2)口元、側貌(横顔)への影響

出っ歯(上顎前突)や開咬になるとどうしても口が閉じづらくなるため、普段から口が空いた状態になりやすく、口呼吸をするようになります。口呼吸が習慣になると、唇の周りの筋肉が弛緩して、前歯は更に前に出て口元全体が突出し、唇自体も翻転(めくれ上がった状態)しやすくなります。

(3)皮膚への影響

指しゃぶりを続けていると、指にタコができ、口呼吸をしていると唇は乾燥したり、荒れたりします。

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(4)機能への影響

開咬になると、様々な機能的な変化が起こります。?前歯でものを噛めないので、奥歯ばかりを使う。?口が閉じづらいため、食事の時くちゃくちゃ音をたてる。?正しくものが飲み込めないため、舌を前に突き出す異常嚥下癖となり、口の周りに食べ物が付着する?口呼吸が習慣になり、呼吸に邪魔な舌が下顎の歯列を圧迫する(低位舌)?サ行、タ行などの発音が不明瞭になる など。

指しゃぶりが長く続くと、(1)のような形態変化がおきて、それが原因で(2、3,4)のような症状になります。特に(4)は、さらなる不正咬合や機能的な問題へと発展していくため、4〜5歳までには止められるようにしたいものです。

写真3,4は、指しゃぶりが原因とされる舌突出癖のある開咬のケースです。

写真3 舌突出癖1

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写真4舌突出癖2

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このように、普段から舌が下の前歯の上に乗っていて、さらに上の前歯を押すような状態ですと、指しゃぶりを行っているのと同じような力が歯やアゴにかかります。

舌突出癖の影響

指しゃぶりは、見ればやっているのがわかりますが、舌の癖は見ても気が付かないこと多いため余計に厄介です。

また、舌突出癖にもいろいろな種類があり、舌の位置や動かし方によって現れる不正咬合が異なります。

上の写真のケースは「前方突出開咬型」になりますが、舌が上の前歯ではなく下の前歯を押す場合「下顎突出型」といい、受け口や臼歯部交叉咬合の原因になります。

指しゃぶり同様、この癖があってもきれいな歯並びの人もいるので、必ず治さなければいけないものではありませんが、舌突出癖はみつけにくだけでなく習慣的に行っていることなので、治すのは難しく、様々な不正咬合の原因になることがあります。

Written by 清村矯正歯科

1月 10th, 2014 at 11:13 am

歯並びと癖の関係

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矯正治療を検討したことがある人の中には「歯並びやかみ合わせ、顔つきは生まれつきであって、治すのは美容にすぎない」と考える人もいるかもしれません。

しかし、顔面や口元のかたちは機能(ものを食べたり、しゃべったり、普段のあごの動きなど)と密接に関連しており、形態(歯並び、顔つき)を治すことで機能が良くなったり、機能を改善することで形態が良くなるといった関係にあります。

逆の見方をすれば、形態的に大きな問題がある人は機能の問題も強い場合が多く、機能に問題がある方は歯並びや口元のかたちが悪くなりやすく、矯正治療も困難になります。

矯正治療の目標は「形態と機能が調和した状態」を作ることです。矯正装置は主に形態を治す目的で使われますが、機能を治すのは患者さん自身の努力がどうしても必要になります。

今回からは、歯並びやかみ合わせに関連する癖「口腔習癖」についてのお話をします。

指しゃぶりの原因と影響

歯並びに影響を与える癖の中で、もっとも代表的なのは「指しゃぶり」です。

指しゃぶりを長期間続けることで、上の前歯が前に出て上顎前突(出っ歯)や開咬を引き起こします。

この形態になると、口が閉じにくくなったり、正しく嚥下(食べ物を飲み込むこと)ができなくなったりするので、口呼吸や舌突出癖を行うようになり、指しゃぶりを止めても形態が良くなることがありません。

また、指しゃぶりをしていなくても、何らかの理由で口呼吸や舌の癖がある人は同様に上顎前突や開咬になることがあります。

指しゃぶりの原因

さまざまな学説があるようですので、代表的なものを紹介します。

(1)こどもの成長・発育に伴う生理的な指しゃぶり

?原始反射

新生児は口の周りに乳首の様なものが触れると口をその方向に向ける「探索反射」それを唇で口の中に取り込む「口唇反射」さらに、舌を使って吸う「吸啜(きゅうてつ)反射」という原始反射が生まれながらに備わっています。

成長がすすんで手の動きが活発になると、偶然口に触れた手指を吸うようになり、原始反射と関連した指しゃぶりを覚えます。

さらに成長すると原始反射は少なくなり、随意運動(自分でやろうとして行う行動)が増えていきます。

この時期の指しゃぶりは「反射的な吸啜」から、食べ物を噛んで飲み込むという「随意的な運動」が必要とされる離乳期へ移行するための発達を促す役割があるものと考えられています。

生後5、6ヶ月以降、さらに成長が進むと手に触れるものをなんでも口に入れて、なめたり、しゃぶったりする行動がみられるようになります。

これらの行動も、感覚の鋭敏な口を使って身の回りのものの感触や味などを認識し、さまざまな感覚を高める重要な役割を果たしていると考えられています。

このように、乳幼児の指しゃぶりは成長、発達に必要な行動でもあるため、通常2歳頃までの指しゃぶりは生理的な範囲であるとして、習癖としては捉えないのが一般的です。

?吸啜不足

乳児の吸啜は本能的欲求で、口からの刺激は快い刺激として満足感を得ていると考えられています。授乳期の母乳不足や早期離乳などにより、この欲求が満たされないことで代償的に指しゃぶりを行うという考えです。

?吸啜の癒し効果

吸啜には、不安や不快を和らげる癒し効果があることが知られています。

赤ちゃんやこどもは空腹、眠い、見知らぬ人と会うなど、不快や不安な状況になったときに吸啜行為を行うことがあります。指しゃぶりはこどもが嫌な状況を自力で解消するのに役立っているという考えです。

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(2)学習の過程で習癖として残ったもの

3歳以降保育園、幼稚園に通い始め徐々に社会性が備わってくると、昼間の指しゃぶりは減少します。

ほとんどのこどもが4歳頃までに指しゃぶりをやめる一方、一部の子どもの中には眠いとき、不安や緊張が強いときだけに指しゃぶりの癖が残る場合があります。

指しゃぶりをすることで、快い感覚、安心感を得られることを学習して、無意識に繰り返しているうちに癖として身についた状態です。

4〜5歳を過ぎても継続する頑固な指しゃぶりはこの「学習説」で解釈できると考えられています。

(3)こどもの気質と環境、及び心理的要因

指しゃぶりをするこどもは、内向的な性格と思われがちですが活発で陽気なこどもにも指しゃぶりはみられます。

一般的には、感受性が強く敏感なこどもが指しゃぶりを長く続ける傾向が強いといわれています。社会的環境としては幼稚園、学校での対人関係、家庭環境や家族関係における子どもの不安感や不満が指しゃぶりに関与していると考えれれていますが、詳しい因果関係まではわかっていないようです。

就学時になっても残る指しゃぶりについては、歯並びやかみ合わせ、顔面形態への影響が懸念されるため、まずその原因をみつけてその原因を取り除いてあげて、根気よく止めさせるように見守る必要があるでしょう。

Written by 清村矯正歯科

10月 15th, 2013 at 9:56 am

矯正治療に関するアンケートの結果③

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矯正治療に関するアンケートの結果報告、今回が最後になります。

前回は矯正治療中の痛みについてのお話でしたが、今回は矯正治療中の食事、歯磨き、装置のトラブルについて報告したいと思います。

Q6. 食事について

①食事をする速度は治療前に比べて

・あまり変わらない(治療1年未満:63% 1~2年:66% 2年以上: 70%)

・早くなった(治療1年未満:3% 1~2年:8% 2年以上:8%)

・遅くなった(治療1年未満:34% 1~2年:26% 2年以上:22%)

②体重に変動はありましたか?

・あまり変わらない:84%

・減った:11% ・増えた:5%

治療を始める前に心配する方が多い食事についてですが、

食べる速度については半数以上の方が以前とあまり差がないという結果になりました。

また、治療期間が経過するにつれて、慣れてくる傾向がみられます。

早くなった方もいますが、これは咬むのが面倒で飲み込んでいるのではないかと推測されます。

食事が摂りづらくなって、体重が減ってしまったという方は意外と少なく、

ほとんどの方があまり変わらないという結果でした。

以前ある患者さんが「食後に歯磨きするのが面倒なので、間食をしなくなってダイエットが出来て良かった」

という話を聞いたことがあります。

体重の増減と矯正治療に因果関係があるかどうかはよくわかりませんね。

③装置を付けてから食べなくなったもの、よく食べるようになったものはありますか?

・はい:51% ・いいえ:49%

矯正治療中、装置が壊れないように食べ物に注意するように指示を出していますが、

半数の人は治療前と変わらない食生活をしているということがわかりました(笑)。

あまり注意を払わなくてもトラブルが無いという方は、

これまで通りのお食事をしても構わないということですね。

Q7. Q6-③で≪はい≫にチェックをされた方にお伺いします。

・食べなくなったものは?

ガム、せんべい、カレー、キャラメル、りんごなど

・よく食べるになったものは?

麺類(うどん、パスタなど)、とうふ、

ヨーグルト、ゼリーなど

食べなくなったものは、せんべいやりんごなど、固くて装置が壊れやすい食べ物と、

装置にくっつきやすいガム、キャラメルなどで、事前に注意しているものがほとんどでした。

カレーを食べなくなった人の理由は、装置に引っ掛ける透明なゴム(モジュール、パワーチェーンなど)が変色するのが嫌だからだと思われます。

よく食べるようになったものには、麺類やとうふなど、あまり咬まずに食べられるものが挙げられていました。

Q8. 歯磨きについて

①    歯磨きは

・毎食後:50% ・朝と夜:46% 朝だけ:1% 夜だけ:3%

②    1回の歯磨きの平均時間は?

・3分以内:29% ・3~5分:46% ・5~10分:18% ・10分以上:7%

歯磨きの回数は、毎食後と朝夜だけという人が半々でした。

皆さんお仕事や勉強で忙しいので、なかなかお昼に歯磨きの時間が取れないのはよくわかります。

でも、虫歯や歯周病になるリスクを考えると、基本は毎食後です!

短い時間でもいいのでお昼も磨く習慣をぜひ付けてください!

少数ですが、夜しか磨かない人は・・・かなり心配です。

平均時間は3~5分という人がもっとも多く、これも忙しいので仕方が無いのかと思います。

しっかり磨けていればこれぐらいの時間でも十分ですが、

朝や昼に時間の取れない方は、夜は手鏡を見ながら10分以上じっくりと

時間をかけて磨いてみてはどうでしょうか?

はじめはなにもつけずに磨いて、2度目に歯磨き粉をつけて仕上げるといいと思いますよ。

Q9. 装置のトラブルについて

装置が取れたことはありますか?

・はい:78% ・いいえ:22%

Q10.

① 装置がとれたのは

・1回だけ:33% ・2~4回:61% ・5回以上:6%

いつとれましたか?

・食事のとき:45% ・運動しているとき:4% ・いつとれたかわからない:48% ・その他:3%

できれば起きてほしくないトラブルが装置(ブラケット)の脱離です。

ブラケットが外れると治療が遅れる原因にもなりますし、来院回数も増えてしまうので、

私も出来るだけ外れないように工夫をしているのですが、

どうしても起こってしまいます(約8割の人が経験あり)。

いつ取れたかわからない人が48%、食事中に取れた人が45%でした。

原因として考えられるのが、①もともとの咬み合せ、歯が生えている位置の問題②食事のとり方です。

①については仕方ないですし、治療が進み、歯が並んでくると問題が解決します。

②については、皆さんが気をつけて下されば回避できることですので、

当医院としては、今後もっと的確な食事に関するアドバイスをして、

ブラケットの脱離を減らしていきたいと考えています。

取れた原因の食べ物は色々ありましたが、少し硬い食べ物が多かったようです。

下記の結果を参考にして今後の食事の際は注意してみてください。

・食事中とれた方は何を食べていてとれましたか?

肉、揚げ物(鳥のから揚げなど)、せんべい、パン、ピーナッツ、カリカリ梅、パン、野菜スティック、キャベツ、メントス、チョコなど

今回で(マルチブラケット装置による)矯正治療中の方へのアンケート結果の報告は終了です。

現在治療中の方や、これから矯正治療を始めるかどうか検討中の皆様の参考になれば幸いです。

治療に関する不安や、わからないことがありましたら、

いつでも遠慮なく清村矯正歯科スタッフにお尋ね下さい。

いろいろ不自由なことがあると思いますが、これからも一日も早く治療が終わるようがんばっていきましょう!

(記:院長)

==埼玉県川口市の清村矯正歯科オフィシャルサイト==

www.2-koo.com

矯正治療に関するアンケートの結果②

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前回に引き続き、3医院合同で行った矯正治療に関するアンケート結果についてご報告したいと思います。

治療を開始する前の相談のとき、

「痛みはありますか?」

「どれぐらい痛いですか?」

といった質問をよく受けます。

これまで治療をされた方から伺ったことを参考にお答えしているのですが、

個人差があることですので、なかなかはっきりとした答えになっていないところもあると、常々感じていました。

このアンケートを結果を参考にしていただければと思います。

Q1 年齢は?

10~15歳:20%

16~20歳:18%

21~25歳:20%

26~30歳:19%

31~40歳:19%

40歳~ :4%

今回、アンケートにご協力いただいた患者様の年齢層ですが、

マルチブラケット装置(写真1)での治療中に限定したためこのような結果になりました。

他の装置を使用している人を含めると、もう少し若年者(10歳代)の割合が増えたと思います。

図1

(写真1)マルチブラケット装置

Q2 治療期間は?

1年未満:31%

1~2年:33%

2年以上:30%

マルチブラケット装置の平均治療期間は2年半ぐらいですので、

対象とした人の治療期間のばらつきはありません。

治療がすでに終わった人も含まれていますが、ほとんどが現在治療中の人の感想です。

Q3-1 歯が動くときの痛みを経験したことがありますか?

はい:93%

いいえ:7%

Q3-2 唇や頬などに装置が当たって、痛みを感じたことがありますか?

はい:90%

いいえ:10%

約9割の人がなんらかの痛みを感じているようです。

これを年代別にみるといずれも10代が一番痛みを感じにくく、

歯が動く痛みは20 代が一番多く、30代以降は減少傾向にある一方、

粘膜などにあたる痛みは年齢が上がるにつれて増加傾向が認められました。

Q4-1 装置を付けてから何日ぐらい痛かったですか?

1日:8% 2~3日:58%

4~5日:23% 5日以上:11%

どの年代でも2~3日が最も多く、21~25歳代では、5日以上痛い人

の割合が少し多くなっていました。

Q4-2 もっとも痛かったのは何日目ですか?

当日:22% 翌日:69%

翌々日:8% その他: 1%

Q4-3 どのようなときに痛かったですか?

食事のとき:59%

歯をかみ締めた時:16%

常に:20% その他: 5%

やはり、治療をした翌日が痛いという人が年齢に関係なく、もっとも多かったようです。

痛みを感じやすいのは、歯に力が加わる食事の時が一番でした。

「常に痛い」という人の割合が思ったより多いのですが、

当医院の集計では5%以下でしたので、ご安心下さい。

ひょっとしたら装置の種類の違いが影響しているのかもしれません。

その他の中には「装置で頬に傷が出来たとき」「装置をはずしたとき」などがありました。

Q4-4 これまでの治療でもっとも痛かったのはいつですか?

はじめて装置が付いたとき:64%

ワイヤーを新しく交換した時:31%

セパレーション:2%

その他: 3%

Q4-5 言葉で表すとどんな痛みですか?

ズキズキ:45% ジンジン:42%

シクシク:9% その他: 4%

もっとも痛いと感じたのは、「はじめて装置をつけた時」でした。

はじめは誰でも慣れないので、当然といえば当然ですが予想通りの結果でした。

マルチブラケット装置の治療では、治療が進むにつれて、

徐々にワイヤーのサイズが太くなっていきますので、そのときに痛みがあることも納得できます。

セパレーションというのは、奥歯にバンド(銀歯のようなワッカ)をつけるために歯の間に入れる輪ゴムのことです。

Q4-5の質問は痛みの感覚を教えていただきたくて考えた設問だったのですが、

私は「ジンジン」「シクシク」が多いと予想していたので「ズキズキ」が一番だったのは意外でした。

その他には「ジワー」「ズーン」「あ゛~」などがありました。

Q5 痛みには慣れましたか?

はい:91% いいえ:9%

Q5-1 痛みに慣れるのにどれくらい期間がかかりましたか?

1週間以内:50% 2~3週間ぐらい:35% 1ヶ月ぐらい:9%

2~3ヶ月ぐらい:3% 4ヶ月以上:3%

ほとんどの方が装置をつけて、1ヶ月以内には痛みに慣れることがわかりました。

年代別に見ると、年齢が上がるほど慣れるのに時間がかかる傾向があります。

また、10代の方は全員が3週間以内に装置になれているという結果になりました。

図2

(写真2)リリーフワックスをつけたところ

今 回の結果は、大体これまでに患者さんから伺っていた話と同じで、予想通りという感想です。

「矯正すると痛いですか?」という質問に対しては「個人差が大き いです。

痛くない人もいますが、大抵は痛いです。

ただし、ほとんどの人は1ヶ月以内に慣れます」と答えるのが妥当だと再認識しました。

歯が動いて痛いときは、歯に力が加わらないように「なるべくやわらかいものを食べる」

歯茎の血行をよくするために「ぬるま湯を口に含む」「ハブラシで歯茎をマッサージする」ことで、

一時的に痛みが緩和します。

夜眠れない程の痛みがある方(めったにいませんが)は、我慢せず市販の痛み止め薬(鎮痛剤)を飲んで下さい。

唇や頬に装置が当たる場合は、お配りしている「リリーフワックス」(写真2)をブラケットに付けていただくといいと思いますが、

2ヶ月以上経っても痛みが続く場合はレジン(プラスティックのようなもの)でカバーすることで対応していますので、遠慮なくご相談下さい。

痛みに慣れるまではいろいろ大変だと思いますが、皆さんがんばって治療を続けてください!

矯正治療に関するアンケートの結果①

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今年の2月に、マルチブラケット装置により治療中の患者様を対象に「矯正治療実態アンケート」を行ないました。

このアンケートは、

「自分以外の矯正治療中の患者様が、日常どのように感じているのかがわかれば、これからの治療をより安心して受けていただけるではないか?」ということと、

「現在治療中の方々の実態がわかれば、これから矯正治療を希望している方の参考になるのではないか?」

という2つの理由から実施いたしました。

このような調査はサンプル数が多いほど客観性が増しますので、友人の矯正歯科医院の先生にも協力してもらい、

3医院合計で236名の方々にご記入いただきました。ご協力してくださった皆さん、どうもありがとうございました。

興味深いデータが出ていますので、今回はまず集計結果の報告だけを行い、

次回から各項目についてのコメントを掲載していきたいと思います。

矯正治療のご相談は、埼玉県川口市の清村矯正歯科まで

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4月 11th, 2011 at 11:49 pm

不正咬合 まとめ①

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みなさん。こんちには!株式会社Value Linkの野々村太郎です。これまで6回にわたってインタビューを行ってきた「もっと知りたい矯正治療」ですが、今回はこれまでの総括をお願いしたいと思います。

これまで、不正咬合の種類と、その原因と治療法についてお話しました。不正咬合にはいろいろな種類がありますが、治療を開始する前に、どのような要因によって今の症状になっているかを見極めることが、治療を行う上でとても重要です。

下の図を見てください。横軸は前後の咬み合せのズレ、縦軸は上下のズレを表していて、中心の青い丸の部分は比較的問題が少なく、外に行くほど問題が大きいことを示しています。

オレンジの丸より外は外科手術が必要なほど大きな問題があるということになります。

001

写真のケースを図に当てはめると症例1は多少デコボコがあり、上の前歯が少し出ていますが、骨格的な問題は少ない比較的簡単なケース。

(症例1)

002

症例2は、下のアゴが小さいために前歯の突出度が大きくやや難しいケース。

(症例2)

003

症例3は上下の歯がかみ合っておらず(開咬)機能的な問題が疑われ、骨格的には受け口の傾向もあるかなり難しいケースにそれぞれ分類できます。

(症例3)

004

また、ほとんどの不正咬合の原因は1つではなく、いくつかの要因によって成り立っています。

実際には前後、上下のズレ以外に左右のズレ(骨格的な問題)、デコボコの量や前歯の突出度(個々の歯の問題)、舌やアゴの動きなど(機能的な問題)の有無も考慮する必要があります。

005

いろいろな要因が重なればそれだけ治療は難しくなる傾向にあります。

見た目がそれほどひどくなくても、治療期間がかかる難しいケースなどは、機能的な要因が強い場合によく見られます。

抜歯をするかしないかの判断もこの3つの要因の重篤度を総合的に判断して決定しています。

(次回に続く)

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4月 6th, 2011 at 5:03 pm

不正咬合 まとめ②

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みなさん。こんちには!

株式会社Value Linkの野々村太郎です。

前回に続いて「もっと知りたい矯正治療」のこれまでの総括をお願いしたいと思います。


これまで、不正咬合の種類と、その原因と治療法についてお話しました。

今までの話、特に成長期のお子様の治療について3つのポイントを挙げると

1つ目は、「子供の矯正治療は、今現在、気になる症状だけを治すのではなく、

永久歯がすべて生えかわった時に正しい咬み合せになることを目標にする」ということです。

たとえば、前歯が少しデコボコしているのを治すのは比較的簡単ですが、

その原因は歯とアゴの大きさのアンバランスです。

このアンバランスを治さなければ永 久歯が生え揃ったときには、またでこぼこになったり、

咬み合せに不調が出たりします。

受け口は、下アゴが身長の伸びる思春期に大きく成長しますので一度治っても、

また悪くなる可能性があります。

このような成長による変化を予測して、治療計画を立てることが重要になります。

2つ目は、「治療開始時期と治療方針、装置の種類は人によって違う」ということです。

「同じクラスの子はもうブラケットを付けているのに、うちの子はまだつけなくていいんですか?」

というご質問をよく伺います。

矯正治療は歯の生え変わりや、アゴの発育状態、その人の症状などを考慮して

治療の開始時期を決める必要がありますので、一概に「何年生になったら始める」というわけにはいきません。

「○○ちゃんは取り外しのできる装置で治していましたが、うちの子もそれでやってください。」

というような話もよく伺いますが、残念ながら不正咬合を治療する装置はその人の症状によって選択されるべきものです。

ご要望にはお答えしたいのですが、出来る場合と出来ない場合があります。

1人1人の症状を引き起こしている原因は1つではありません。

矯正治療を成功させるには、複雑に絡み合った不正咬合の原因を正確に診断し、

最適な時期に適切な装置を選択することが必要です。

3つ目は、「骨格的な問題や機能的な問題は早期の治療のほうが良い」ということです。

混合歯列期の成長を利用することで、将来、手術しなければいけない骨格的な原因による不正咬合を防ぐことができたり、

歯並びに悪影響のある癖を治すこと大人になってからの矯正治療を簡単にすることが出来ます。

永久歯が生え揃うのを待ってから治療を始めたほうが、トータルの治療期間は短くてすみますが、

それでは現在の症状がどんどん悪くなってしまい、ブラケットを付けた本格的な治療が大変になることもあります。

以上で、「もっと知りたい矯正治療(2)不正咬合の種類とその原因、治療方法」は終了です。

次回からはまた新しいテーマで矯正治療についてお話を伺って生きたいと思いますのでよろしくお願いします。

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1月 26th, 2011 at 11:53 pm

不正咬合の種類について(10)

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矯正治療をもっと知りたい vol.11

不正咬合の種類について 交叉咬合・埋伏歯


N:私自身、あまり自分の歯の本数を気にしたことがありませんが、気付かないという方もいらっしゃるのではないですか?

子供のパノラマレントゲンを取ることはほとんど無いので、見落としてしまっている場合があるのでしょう。

N:なるほど、そういうこともあるのですね。なかなか永久歯が生えてこなくて心配なら、矯正歯科の先生に診てもらったほうが安心ですね。

これまで5回に分けていろいろな不正咬合について伺ってきましたが、これ以外にも種類がありますか?

K:そうですね、交差咬合に似ているのでが、上下の歯がすれ違いに噛んでいる鋏状咬合とか、叢生とは逆に歯の大きさに比べてアゴが大きいために起こる空隙歯列や正中離開、いわゆる「すきっぱ」などがあります。

図5

K:不正咬合といってもほんとにいろいろな種類があるんですね。清村先生、今回もありがとうございました。

K:ありがとうございました。

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1月 30th, 2010 at 7:13 pm

不正咬合の種類について(9)

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矯正治療をもっと知りたい vol.10

不正咬合の種類について 交叉咬合・埋伏歯

N:さて、もうひとつの「埋伏歯」についても教えて頂けますか?

K:はい。埋伏歯とは、歯が歯茎(又は骨)の中に埋まってしまっている状態のことです。

皆さんが良くご存知な「親知らず」が最も埋伏歯になりやすい歯になります。

図2

昔に比べてアゴが小さくなってきた現代人は、最後に生えてくる第3大臼歯の生えるスペースが足りなくて、多くの人が大人になって、抜かなくてはならないわけですが、矯正治療が必要になるのは親知らず以外の歯が埋伏してしまうケースですね。

図3

原因は様々ですし、わからないこともあります。たとえば永久歯がまだアゴの中にあるときに、顔や口をぶつけてしまったことによる衝撃が原因だったり、乳歯がむし歯になって早く抜けてしまった結果、隣の歯が動いて本来生える永久歯のスペースがなくなったことが原因になったりします。

N:埋伏している場合、どのような治療を行うのですか?

K:ほとんどの場合、埋伏歯が生えてくるスペースがありませんので、まず、アゴの骨を広げたり、他の歯を動かしたりして埋伏歯が出てくるスペースを作ります。そして、その歯を引っ張り出すための装置を周りの歯やアゴに装着して、外科的な処置で埋伏歯に金具を付けてその装置から牽引していきます。

図4

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1月 30th, 2010 at 7:08 pm

不正咬合の種類について(8)

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矯正治療をもっと知りたい vol.9

不正咬合の種類について 交叉咬合・埋伏歯

みなさん。こんちには!株式会社Value Linkの野々村太郎です。

前号までは、前後や上下のズレという分け方で、不正咬合について清村先生にお伺いしましたが、今回はそれ以外の不正咬合について聞いてみたいと思います。

野々村(以下N)、 清村先生(以下K)

N:これまでに説明していただいた不正咬合以外に、どのような種類があるのですか?

K:はい。代表的なものに「交叉咬合」と「埋伏歯」と呼ばれるものがあります。まず、「交叉咬合」とは、噛み合わせが左右にずれていて、下の奥歯が上の奥歯の外側にある状態です。(図1)

図1

N:左は下の歯が外(頬)側に出ているのに、右は上の歯が外(頬)側に出ていて、雑巾を絞ったように左右の歯がねじれているようですね。何となく素人目にも健康状良くないというのは分かりますが、どのようなことを引き起こすのですか?

K:本来、左右の歯は同じように咬まなければいけませんが、左右違う位置で咬んでいるので、特定の歯や関節に負荷がかかります。その状態が続けば、片方の歯やアゴの

関節が磨り減り、だんだんアゴがずれてきて顔が歪んでしまいます。

N:なるほど。交叉咬合になる原因は、やはり遺伝によるものですか?

K:もともと骨格的に上下の幅が合っていないという遺伝的な原因の場合もありますが、後天的に発生する場合のほうが多いように思います。

例えば、右側の奥歯が虫歯になると、右を避けて左でばかり咬もうとしますね。これを何年も続けていると、その咬み合せにあわせてアゴが成長していくのでアゴは左にずれていきます。

また、普段の姿勢や寝ているとき態勢、頬杖などの癖によって交叉咬合になることもあります。

N:頬杖が原因で顎が曲がってしまうこともあるのですね!?(驚)

では、治療はどうやって行いますか?

K:大人の場合は、歯の移動だけではアゴの変形は治せませんので手術が必要になります。

子供の場合は、成長によって症状が悪化するのを予防するの第一ですので、原因を除去することが重要です。

先述のように、頬杖が原因なら、頬杖の癖を止めさせることが一番です、次に、上アゴを拡大するなどして、正しく噛めるように上下のアゴの幅を合わせていきます。

N:癖を取るのも矯正治の一環なのですね。そして、症状がひどくなって将来手術にならないように、子供のうちに治療に取り掛かるべきですね。

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1月 30th, 2010 at 6:53 pm

不正咬合の種類について(7)

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矯正治療をもっと知りたい vol.8

不正咬合の種類について 過蓋咬合・開咬

成長期の治療と予防が成功のポイント

開咬の場合、後ろから生えてくる奥歯や親知らずによって症状が悪化する人もいいるため、治療期間も長くかかることが多く、

成人の方で症状がひどい場合は手術が必要になることもあります。

開咬は一般的に他の症状に比べ治療が難しい不正咬合ですので、とにかく骨格的な問題でも舌の癖でも原因を出来るだけ早く取り除くか、影響を少なくしてあげることが治療を成功させるポイントになります。

したがって、過蓋咬合、開咬ともに骨格の成長を利用する治療が効果的であること、開始時期が遅くなるほど治療が難しくなる傾向があるという理由で早期治療をお勧めしています。

N:「過蓋咬合」も「開咬」も「反対咬合」や「叢生」のように見てすぐわかる不正咬合ではないので見落としがちですが、こちらのほうが実は治療が難しいようですね。勉強になりました。


清村先生、今回もありがとうございました。


K:ありがとうございました。

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11月 24th, 2009 at 12:33 am

不正咬合の種類について(6)

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矯正治療をもっと知りたい vol.7

不正咬合の種類について 過蓋咬合・開咬

口呼吸が開咬を引き起こす原因のひとつ

開咬では、前歯で麺類や野菜などが噛めないので、奥歯だけ他の歯に比べてダメージを受けやすくなります。又、上下の前歯が触れないので発音にも悪い影響を与えます。

N:では、過蓋咬合と開咬になる原因は何ですか?

K:過蓋咬合になる原因は、先天的な骨格や筋肉に由来することが多いようです。よく美容室などで顔の形を卵形、逆三角形などに分類していますが、この咬み合せの方は咬筋というアゴの筋肉が発達していて、エラや頬骨が横に張ったホームベース型の顔つきの人に多く見られます。

後天的な原因は奥歯が虫歯や歯周病で早くに抜けたり、抜いたりすることで起こりやすくなります。開咬になる原因も、先天的な骨格や筋肉に由来することがあり、先ほどの顔の形でいうと面長の人はなりやすい傾向があります。また、子供の頃からの癖が原因で後天的な理由で開咬になる方もみられます。

N:具体的にはどのような癖ですか?

K:指しゃぶりや舌や唇に関する癖です。上下の歯の間にいつも舌を突き出す

癖のことを「舌突出癖」といい、これが開咬の直接的な原因になります。また、花粉症などの鼻疾患で口呼吸が癖になるといつも口がポカンと開いてしまい唇の筋肉が弱くなり、さらに、口から空気を吸おうとするので、舌が正常な位置より下にいくようになります(低位舌)。この唇と舌の影響で正しく食べ物を噛んだり飲み込んだりすることができなくなり(異常嚥下癖)、次第に開咬に変化していくケースがよく見られます。

N:なるほど。やはり癖が歯並びに影響するのですね。それではどのようにして治療をするのですか?

K:「過蓋咬合」の場合、成長期を理由した骨格的なアプローチとして、バイトプレート(写真③)、バイオネーター、ヘッドギアなどを使用します。このような装置はまだ成長が残っていて永久歯がすべて生え揃っていない方に有効です。また、歯の移動によるアプローチとして上の前歯4本のみにブラケットを装着してユーティリティアーチ(写真④)というワイヤーを使った治療をします。

(写真③)
503

(写真④)
504

開咬の場合、舌癖を治すためにMFT(筋機能訓練)を行い、習癖除去装置(写真⑤)などを使います。

(写真⑤)

505

ただし、一度ついてしまった癖を治すのは簡単ではありませんので、毎日気をつけて地道に治す努力が必要になります。癖が治らないとせっかく治っても元に戻ってしまうことが多いのが開咬の特徴です。

また、骨格的な問題の改善のためにヘッドギア、トランスパラタルアーチ(写真⑥)などを使います。これも、成長や癖の影響によって症状がひどくなるのを予防する目的で成長期のお子さんによく使用します。

(写真⑥)

506

大人の場合、マルチループ(写真⑦)という複雑なワイヤーと上下のワイヤーに輪ゴムを掛ける方法や、臼歯を圧下するために矯正用インプラントを利用したりすることもあります。

(写真⑦)507

N:治療は、子供のときからすべきですか?

K:過蓋咬合の場合、上下の歯が強く当たるので、歯が磨り減り易く、そのままにしておくと更に噛み合わせが深くなります。また、顎関節への影響を考えると下アゴが大きく成長する思春期前に治しておかないと顎関節症がひどくなる可能性があります。

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11月 23rd, 2009 at 11:45 pm

不正咬合の種類について(5)

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矯正治療をもっと知りたい vol.6

正咬合の種類について 過蓋咬合・開咬

こんにちは。Value Linkの野々村太郎です。連載でお送りしている「清村先生へインタビュー」今回は「過蓋咬合(かがいこうごう)」と「開咬(かいこう)」について聞いてみたいと思います。

野々村(以下N):今回は「過蓋咬合」と「開咬」について教えて下さい。宜しくお願い致します。

清村先生(以下K):宜しくお願いします。

N:まず、「過蓋咬合」と「開咬」とは、どのような状態なのか教えていただけますか?

K:はい。前回、前々回と「出っ歯」や「受け口」についてお話ししましたが、これらは上下のアゴ、前歯の位置関係が前後にズレた状態です。「過蓋咬合」と「開咬」は、この位置関係が上下にズレた状態の不正咬合です。

過蓋咬合は下の歯が見えないほど、上の歯が覆いかぶさっている深い咬み合せです。

501

逆に開咬は、奥歯は噛み合っているのに前歯が噛み合わない浅い咬み合せです。

502

N:そのような歯並びの場合どのような弊害がありますか?

K:過蓋咬合の場合下の歯が、上の歯ではなく上アゴの歯ぐきと噛んでいるので、歯や歯ぐきを痛めたり、下アゴの動きが制限されて、関節に力がかかりすぎて顎関節症を招いたりすることがあります。

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11月 23rd, 2009 at 11:24 pm

不正咬合の種類について(4)

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矯正治療をもっと知りたい vol.5

不正咬合の種類について 上顎前突

皆さま、こんにちは。
株式会社Value Linkの野々村です。
今回は、出っ歯(上顎前突)について清村先生に聞いてみたいと思います。

野々村(以下N): 清村先生、今日は「いわゆる出っ歯」についてお聞きしたいと思います。よろしくお願い致します。
先生: よろしくお願い致します。
あまりいい表現ではありませんが「出っ歯」は、専門的には上顎前突といい、上の前歯が、下の前歯よりも極端に前に出ている状態のことをいいます。

20091005_01 20091005_02
[ 写真① ] [ 写真② ]
20091005_03 20091005_04
[ 写真③ ] [ 写真④ ]

写真を見ていただくとわかると思いますが、前歯が出ていることで、口が閉じづらくなるので、普通にしていても唇が前に突き出ていて、見た目があまりよくありません。
この「いわゆる出っ歯」を治したいという理由で矯正治療を始める方は、「反対咬合」「叢生」の次に多く、その割合が昔に比べて増加傾向にあるようです。

指しゃぶりや頬杖が症状を悪くする

N: 見た目が良くない以外に何か不都合なことはありますか?
先生: 上顎前突の場合、外傷を受けた場合に唇を傷つけたり、前歯が欠けたり折れてしまう危険性が高くなります。また、前歯で食べ物を噛みづらいので、奥歯でばかりものを噛むようになるので、アゴの関節や奥歯に負担がかかりやすくなります。極端に前歯が出ている人はサ行の発音に影響が出ることもありますね。
N: この上顎前突の原因は何ですか?
先生: 上顎前突には骨格に問題があるタイプとないタイプに分類することができます。骨格的に問題があるタイプは、やはり遺伝的な要素が関係していることが多いように思います。受け口(反対咬合)の回に説明したように親子で顔が似ているのと同じ理由ですね。ただし、遺伝的に問題がなくても、下のあごの成長を阻害する癖や習慣が長期間続くと、骨格的な問題を引き起こすことがあります。
N: 具体的にはどのような癖と習慣ですか?
先生: 最もわかりやすいのは指しゃぶりです。
小学校入学までに止めらていればあまり問題にはなりませんが、永久歯が生えてからも続けていると、上の前歯が外(唇側)に出て、下の歯が内(舌側)に倒れてしまい、その後の歯並びに大きな影響を与えます。一度このような出っ歯の状態になると、癖を止めても上下の前歯の隙間に下唇が入ってしまい、今度は唇を噛む癖「咬唇癖」(写真⑤)を引き起こしてしまいます。

20091005_05
[ 写真⑤ ]

出っ歯というと、上の前歯が出ている状態をイメージすると思いますが、下のアゴの成長が悪いために相対的に上の前歯が出た状態でも上顎前突に分類されます。
写真①、②の方はこの状態にあります。上の前歯の位置は少し出ているだけなのに、下アゴの成長が不足しているために上顎前突の状態です。このように下アゴの成長を阻害する癖、習慣として挙げられるのが「うつぶせ寝」「頬杖」です。どちらも下アゴを後ろへ押し付けることになるため、成長期にこの習慣が続くとせっかく下アゴが前に成長しようとしているのを邪魔してしまいます。
N: なるほど、いろいろな癖や習慣によって症状がさらに悪くなることがあるわけですね。
先生: そうです。高校生以上の年齢の患者さんで、前歯が極端に出ている人をみると、もう少し早く来てくれていればここまでひどくならなかったのになぁと思うことがあります。
N: 次に治療方法について伺います。やはり骨格に問題があるタイプとそうでないタイプでは治療方法が違うのですか?
先生: はい、上アゴが大きく、前に出ているタイプの場合はそれ以上、上アゴが前に成長しないようにヘッドギアーという装置を使います(図①)。この装置は奥歯を後ろに移動することも出来るので、骨格に問題がない上顎前突でも使用することがあります。逆に下アゴが小さいタイプの場合はマウスピースのような装置(ファンクショナルアプライアンス)を使います(写真⑥)。どちらも取り外し可能ですが、毎日決められた時間、数か月~1、2年使うことで効果が出てきます。
このような装置を使ってもなお、前歯が出ている重い症状の人、成長が終わって永久歯がすべて生えかわっている人の場合は、前歯を後ろに引っ込めるためにやむを終えず永久歯(小臼歯)を抜歯して、すべての歯にブラケットを付けて歯を移動する本格的な矯正治療で症状を改善します(下図②参照)。

20091005_06 20091005_07
[ 図① ] [ 写真⑥ ]

どのような装置を使うかはその人の症状次第

20091005_08[ 図② ]

N: 骨格の問題や、癖、習慣を治すにはやはりこどもの頃から治療を始めた方が、良さそうですね。
先生: その通りです。
症状を悪化させないためにも、適切な時期からの早期治療が大切ですね。
N: 今日の話も大変勉強になりました。

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10月 5th, 2009 at 3:28 pm

不正咬合の種類について(3)

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矯正治療をもっと知りたい vol.4

不正咬合の種類について 叢生

皆さま、こんにちは。株式会社Value Linkの野々村です。
前回のニュースレターでは、“不正咬合の種類 叢生” について、お聞きしました。
今回は、“不正咬合の種類②叢生(そうせい)の続き” について清村先生に聞いてみました。

野々村(以下N): 叢生の場合、具体的にどのような装置を使いますか?
先生: はい、下の写真①はアゴの幅を広げる装置でで、取り外しができるタイプのものです。これ以外にもいろいろなタイプがありますが、このような装置でまずアゴの幅を広げて歯が並ぶスペースを確保してから、今度は「ブラケット」という金具を歯に接着して細い針金を調整してデコボコを治していきます(写真②、③、④)。

photo02_1 photo02_2
[ 写真① 拡大装置 ] [ 写真② ]
photo02_31 photo02_4
[ 写真③ ] [ 写真④ ]

このケースはまだ乳歯が残っているお子さんですが、永久歯がすべて生え揃っている場合はこの装置をすべての歯に接着して治していきます(写真⑤)
photo02_5

N: 次に、この叢生の原因についておたずねします。昔の人と比べてやわらかいものばかり食べているから、アゴの発育が悪くなっているのでしょうか?

むし歯予防で叢生の予防になることも・・・

先生: うーん・・・そのような影響もあるのかもしれませんが、だからといって硬いものばかり食べ ていれば、アゴが大きくなるというわけでもないので、それだけが原因ではないと思います。以前お話したように歯の大きさやアゴの大きさは遺伝します。もともと歯が大きいご両親のお子さんの歯は、やはり大きいですから、遺伝的要素の影響は強いと思います。それから、むし歯で早期に乳歯が抜けてしまうことも叢生の原因のひとつですね。下の写真を見てください。
photo02_6

少し見づらいかもしれませんが、一番うしろに見えているのは6歳臼歯です。左側は乳歯が2本抜けてしまっていますね。
左側の6歳臼歯はこのままだと矢印の方向に移動してしまいます。そうすると本来乳歯が抜けた後に生える予定の永久歯(小臼歯)の生える場所が無くなって左側はひどい叢生になってしまいます。

N: なるほど。むし歯をそのままにしておくと歯並びが悪くなる原因になるわけですか・・・では、治療はいつから始めればいいでしょうか?
先生: そうですね。デコボコの程度やその人の歯の生え変わりの早さにもよりますが、できれば永久歯が生え揃う前、永久歯の前歯が生えてきた頃がいいですね。
この時期にレントゲンを撮影して、いつ永久歯が生えてくるか、骨格に異常がないかなどがわかっていたほうが、将来的に歯を抜かないで治療できる可能性が高くなりますし、もし、すぐに治療が必要でなくても、一番いいタイミングで治療を開始することができるようになりますからね。
N: なるほど。では、叢生はどのような方法で治療しますか?
先生: そうですね。歯並びが悪くなる原因は、歯やアゴの大きさなどが遺伝する先天的なものと、成長過程や生活習慣などの後天的なものと、大きく2つに分けられます。
N: そうですか。検査を受けておけば、治療にベストなタイミングがわかるわけですね。今回もいろいろ勉強になりました。

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5月 28th, 2009 at 12:00 pm

不正咬合の種類について(2)

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矯正治療をもっと知りたい vol.3

不正咬合の種類について 叢生

皆さま、こんにちは。株式会社Value Linkの野々村です。
前回のニュースレターでは、“不正咬合の種類 反対咬合”について、お聞きしました。
今回は、“不正咬合の種類②叢生(そうせい)”について清村先生に聞いてみました。

野々村(以下N): 清村先生、今回もよろしくお願い致します。早速ですが、叢生(そうせい)とは、どのような歯並びの状態のことでしょうか?
清村先生(以下先生): 一般的には乱杭歯と呼ばれており、歯並びに連続性がなく、前後左右にデコボコしている状態のことを叢生と呼んでいます。
歯の大きさに比べてアゴが小さいことが要因でこのような状態に歯が並んでいます。
(写真)

front011 top01 under01
[ 叢生歯列(前から) ] [ 叢生歯列(上アゴ) ] [ 叢生歯列(下アゴ) ]

誰が見てもすぐわかる異常ですので、叢生を理由に来院される方の割合はかなり多いですね。
N: このデコボコの状態のままにしておくと、どんな問題がおこるのでしょうか?

見た目が悪いだけではなく、いろいろな弊害・・・

先生: 見た目が美しくないことはもちろんですが、歯が重なり合っていますので、歯磨きが難しく虫歯や歯周病になりやすい状態だと言えます。また、虫歯になってしまうと重なっている部分の治療も難しくなります。
N: 確かに、磨ききれずに汚れが溜まって虫歯や歯周病になりやすそうですね。他にもそのままにしておいて、問題はありますか?
先生: そうですね。デコボコに並んだ歯列の状態は、きれいに並んでいる状態に比べてアゴの骨にしっかり歯が植わっていません。はみ出している歯は噛む力(咬合力)に対してダメージを受けやすいので、部分的に磨り減ったり、歯の根っこが短くなったりすることが多くなります。
N: なるほど。では、叢生はどのような方法で治療しますか?
先生: そうですね。歯並びが悪くなる原因は、歯やアゴの大きさなどが遺伝する先天的なものと、成長過程や生活習慣などの後天的なものと、大きく2つに分けられます。
N: 後天的な原因には、どんなことがあるのですか?
先生: 叢生は、アゴのなかにきれいに歯が入りきれない状態で起こりますので、アゴの幅をを広げたり、奥歯を後ろに移動させたりして歯が並ぶスペースを確保するか、永久歯を抜いてスペースを確保する治療方法があります。
どちらの方法を行うかは、その方の骨格や筋肉の状態、叢生の程度、口元のバランス、今後のアゴの成長量などを考慮して決めていきます。
N: 大人でもアゴの骨を広げることはできますか?
先生: 大人の方でも可能です。でも、やはり成長期のお子さんのほうが広げるのは簡単ですね。
N: では、すべての方が歯を抜かずに叢生を治せるのですか?
先生: 残念ながらそういうわけにはいかないのです。デコボコの量が多い方や骨格や咬み合せに問題がある方の場合は、やむを得ず永久歯を抜くこともあります。この問題はいろいろ説明が必要ですので、今度の機会にお話したいと思います。(2/2へつづく

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5月 28th, 2009 at 11:03 am

不正咬合の種類について(1)

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矯正治療をもっと知りたい vol.2

株式会社Value Linkの野々村です。前回は、清村先生に“歯並びが悪くなる原因”について、お聞きしました。今回は、不正咬合(歯並びが正常で無い状態)の種類について伺ってみたいと思います。

受け口の治療は早めに治してしばらく様子を観ていく

野々村(以下N):清村先生、今回もよろしくお願い致します。
清村先生(以下先生): よろしくお願いします。
N: 歯並びやかみ合わせの治療をされている患者さんの中で最も多い症状というのは、どのような症状なのでしょうか?
先生: 反対咬合(はんたいこうごう)と叢生(そうせい)が理由で治療されている方が多いですね。この2つは誰が見てもわかる不正咬合ですので、やはり割合としても多くなるのだと思います。
N: それでは今回は反対咬合について詳しく教えてもらえませんか?
先生: はい。反対咬合とは、一般的に受け口といわれるもので、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。見た目がおかしいという問題以外に、食べ物を良く噛めない、発音に影響が出るといった事があります。
前回、不正咬合の原因について話をしましたが、受け口の場合はやはり遺伝的な原因が関与しているケースが多いようです。
N: もう少し詳しく教えて頂いても宜しいですか?
先生: はい。例えばお子さんが受け口で、ご両親、ご親戚の誰かが受け口、または下アゴが大きいタイプの場合は、その遺伝的な影響で骨格的にそのお子さんも下のアゴが大きくなりやすく、注意しなければいけないと判断します。厄介なことに下アゴは、身長が急激に伸びる思春期に腕や足の骨と同時期に大きくなりますので小さい頃は、受け口でなくても、成長するにつれて下顎が大きくなり、受け口になる人もいます。
N: それではいつごろか治療をはじめるのがいいのでしょうか?03_a
先生: 本格的な成長が始まる前の小学校3,4年生ま始でには始めたほうがいいでしょうね。以前は「前歯が永久歯に生えかわるまで様子をみる」というのが当たり前でしたが、最近のトレンドとしては乳歯の頃からマウスピースのような簡単な装置で治して、その後は永久歯が生えるまで経過を観ていく方法が主流になりつつあります。
N: どのような装置で治療をしますか?
先生: 歯が生え変わり中のお子さんの場合、骨格的な問題があまり無いようであれば、歯の裏側から付ける装置で1年以内に治ることもありますが、骨格的な問題がある場合は野球のキャッチャーマスクのような装置を夜間使用してもらって、アゴの成長を調整していきます。この場合、治療期間が2,3年かかる事もあります。
N: 大人になってからの治療はどのように行いますか?
先生: ブラケットという金具をすべての歯につけて歯を移動して治療します。受け口は治りますが、「アゴが出ている」といった骨格的な改善は出来ませんので、もし、希望する場合は外科手術が必要になることがあります。
N: なるほど。アゴの大きさなどの骨格的な問題がある人は、子供の頃から治療したほうが将来安心ということですね?
先生: そうですね。

矯正治療のご相談は、埼玉県川口市の清村矯正歯科まで

Written by 清村矯正歯科

3月 16th, 2009 at 5:02 pm

歯並びが悪くなる原因は?

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矯正治療をもっと知りたい vol.1

歯並びが悪くなる原因は?

みなさま、こんにちは。株式会社Value Linkの野々村です。
皆さんの中でも、“なんで?”歯並びって悪くなるの?って、思っている方も多いのではないでしょうか?
今回は、“歯並びが悪くなる原因”について、清村先生に聞いてみようと思います。

野々村(以下N): それでは、清村先生、よろしくお願い致します。
清村先生(以下先生): よろしくお願いします。
N: 歯並びのいい人と悪い人がいますが、遺伝的な理由が影響しているのですか?
先生: そうですね。遺伝的な理由で、歯並びが良くないという事はあります。ただ、勘違いされやすいですが、必ずしも「歯並び」が遺伝している訳では無いという事ですね。
N: どういう事ですか?
先生: お父さんとお母さんが、「歯並び」がいいから、お子さんも「歯並び」がいい。と言う事ではありません。遺伝をするのは、歯の大きさや形、アゴの大きさ、骨格などです。つまり、お父さんから大きな歯を受け継いで、お母さんから小さなアゴを受け継げば、歯がきれいに並ぶ為の十分なスペースが無く、歯がデコボコに並んだりします。「歯並び」の良し悪しを遺伝すると言う事ではありませんね。
N: なるほど。遺伝以外で歯並びが悪くなる事もあるんですか?
先生: そうですね。歯並びが悪くなる原因は、歯やアゴの大きさなどが遺伝する先天的なものと、成長過程や生活習慣などの後天的なものと、大きく2つに分けられます。
N: 後天的な原因には、どんなことがあるのですか?
先生: 全身的なものと局所的なものがあります。全身的というのは、ホルモンの分泌異常や栄養障害などで骨の発達に影響が出る場合などで、頻度としてはそれほど多くはないと思います。
N: それでは、局所的な原因というのはどのようなものですか?
先生: アレルギー性鼻炎などの呼吸器系の病気や顔面にうけたケガ、癖、習慣などがいろいろな原因が考えられます。鼻で息が出来ないと口呼吸になりますよね。そうすると口で呼吸しやすいように舌の位置が正常よりも前に出てきて前歯を押すようになり、出っ歯や開咬になりやすくなります(写真)。指しゃぶり、、うつぶせ寝などは、アゴや歯に強い力をかけ続けますので、たとえ遺伝的には正常でも、長期間続けると骨格に影響を与えることになります。また、虫歯も歯並びを悪くする原因の1つになります。
N: 虫歯が理由で、歯並びが悪くなったりするんですか?(驚)
先生: 乳歯は永久歯が生える場所を確保しておく役割も持っていますので、虫歯で乳歯が早く抜けてしまうとはえかわりの順序がおかしくなって永久歯が正常に生えてこなくなってしまいます。虫歯の予防は、歯並びの面でも大事になりますね。
N: このような後天的な原因を取り除いてあげれば歯並びは悪くならずにすむわけですね 。
先生: そうですね。癖を治すのは簡単ではないですが、そのままにしておくと将来的にどんどん症状が悪化しますし、治療も難しくなります。ご家庭で何とかできない場合は早めに矯正歯科の先生に相談されたほうがいいですね。
N: そうなんですね。今回も色々とお話しいただきまして、ありがとうございました。
先生: こちらこそ、ありがとうございました。

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指しゃぶりと口呼吸が原因と思われる「開咬」。奥歯でしか物が咬めない状態で、前歯もかなり出ている・・・。

矯正治療のご相談は、埼玉県川口市の清村矯正歯科まで

Written by admin

3月 12th, 2009 at 10:01 am