「もっと知りたい歯の矯正治療」

清村矯正歯科(川口市)監修

歯並びと癖の関係

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矯正治療を検討したことがある人の中には「歯並びやかみ合わせ、顔つきは生まれつきであって、治すのは美容にすぎない」と考える人もいるかもしれません。

しかし、顔面や口元のかたちは機能(ものを食べたり、しゃべったり、普段のあごの動きなど)と密接に関連しており、形態(歯並び、顔つき)を治すことで機能が良くなったり、機能を改善することで形態が良くなるといった関係にあります。

逆の見方をすれば、形態的に大きな問題がある人は機能の問題も強い場合が多く、機能に問題がある方は歯並びや口元のかたちが悪くなりやすく、矯正治療も困難になります。

矯正治療の目標は「形態と機能が調和した状態」を作ることです。矯正装置は主に形態を治す目的で使われますが、機能を治すのは患者さん自身の努力がどうしても必要になります。

今回からは、歯並びやかみ合わせに関連する癖「口腔習癖」についてのお話をします。

指しゃぶりの原因と影響

歯並びに影響を与える癖の中で、もっとも代表的なのは「指しゃぶり」です。

指しゃぶりを長期間続けることで、上の前歯が前に出て上顎前突(出っ歯)や開咬を引き起こします。

この形態になると、口が閉じにくくなったり、正しく嚥下(食べ物を飲み込むこと)ができなくなったりするので、口呼吸や舌突出癖を行うようになり、指しゃぶりを止めても形態が良くなることがありません。

また、指しゃぶりをしていなくても、何らかの理由で口呼吸や舌の癖がある人は同様に上顎前突や開咬になることがあります。

指しゃぶりの原因

さまざまな学説があるようですので、代表的なものを紹介します。

(1)こどもの成長・発育に伴う生理的な指しゃぶり

?原始反射

新生児は口の周りに乳首の様なものが触れると口をその方向に向ける「探索反射」それを唇で口の中に取り込む「口唇反射」さらに、舌を使って吸う「吸啜(きゅうてつ)反射」という原始反射が生まれながらに備わっています。

成長がすすんで手の動きが活発になると、偶然口に触れた手指を吸うようになり、原始反射と関連した指しゃぶりを覚えます。

さらに成長すると原始反射は少なくなり、随意運動(自分でやろうとして行う行動)が増えていきます。

この時期の指しゃぶりは「反射的な吸啜」から、食べ物を噛んで飲み込むという「随意的な運動」が必要とされる離乳期へ移行するための発達を促す役割があるものと考えられています。

生後5、6ヶ月以降、さらに成長が進むと手に触れるものをなんでも口に入れて、なめたり、しゃぶったりする行動がみられるようになります。

これらの行動も、感覚の鋭敏な口を使って身の回りのものの感触や味などを認識し、さまざまな感覚を高める重要な役割を果たしていると考えられています。

このように、乳幼児の指しゃぶりは成長、発達に必要な行動でもあるため、通常2歳頃までの指しゃぶりは生理的な範囲であるとして、習癖としては捉えないのが一般的です。

?吸啜不足

乳児の吸啜は本能的欲求で、口からの刺激は快い刺激として満足感を得ていると考えられています。授乳期の母乳不足や早期離乳などにより、この欲求が満たされないことで代償的に指しゃぶりを行うという考えです。

?吸啜の癒し効果

吸啜には、不安や不快を和らげる癒し効果があることが知られています。

赤ちゃんやこどもは空腹、眠い、見知らぬ人と会うなど、不快や不安な状況になったときに吸啜行為を行うことがあります。指しゃぶりはこどもが嫌な状況を自力で解消するのに役立っているという考えです。

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(2)学習の過程で習癖として残ったもの

3歳以降保育園、幼稚園に通い始め徐々に社会性が備わってくると、昼間の指しゃぶりは減少します。

ほとんどのこどもが4歳頃までに指しゃぶりをやめる一方、一部の子どもの中には眠いとき、不安や緊張が強いときだけに指しゃぶりの癖が残る場合があります。

指しゃぶりをすることで、快い感覚、安心感を得られることを学習して、無意識に繰り返しているうちに癖として身についた状態です。

4〜5歳を過ぎても継続する頑固な指しゃぶりはこの「学習説」で解釈できると考えられています。

(3)こどもの気質と環境、及び心理的要因

指しゃぶりをするこどもは、内向的な性格と思われがちですが活発で陽気なこどもにも指しゃぶりはみられます。

一般的には、感受性が強く敏感なこどもが指しゃぶりを長く続ける傾向が強いといわれています。社会的環境としては幼稚園、学校での対人関係、家庭環境や家族関係における子どもの不安感や不満が指しゃぶりに関与していると考えれれていますが、詳しい因果関係まではわかっていないようです。

就学時になっても残る指しゃぶりについては、歯並びやかみ合わせ、顔面形態への影響が懸念されるため、まずその原因をみつけてその原因を取り除いてあげて、根気よく止めさせるように見守る必要があるでしょう。

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Written by 清村矯正歯科

10月 15th, 2013 at 9:56 am